内容説明
本書は、明治初期、東京大学医学部御雇外科教師ヴィルヘルム・シェルツェの妻エンマが、ドイツの両親へ宛てた手紙を綴ったものである。シュルツェは明治7年来日し、同10年一旦帰国する。そして、ベルリンで結婚し、翌11年妻を伴い再来日する。本書は、その妻エンマが、故国を離れた直後から明治14年の帰国直前まで書いた手紙が大半を占めるが、シュルツェ本人の手紙や当時の貴重な資料も含まれ、医学史上興味をそそられる。
目次
ベルリンから東京への旅
東京での初めのころ
日本での最初の旅行
東京での最初のクリスマス
ハィンリッヒ皇子の東京訪問
京都への旅
長男の誕生と日光旅行
東京での最後の春・わかれ
御雇教師ヴィルヘルム・シュルツェ伝
明治10年頃の東京大学医学部の状況
ドクトル・シュルツェの履歴