内容説明
永遠の都市ローマは、たとえばブロツキイがロシア語で古代ローマの“貴婦人たち”の名(ただし、ミケリーナはブロツキイ悲恋のヒロイン)を口寄せしたように、いかなる光と影のタップを刻んでいるだろうか、今やぎりぎりの世紀末にあって。
目次
ローマ悲歌
РИМСКИЕ ЭЛЕГИИ(ロシア語原文)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
黒豆
10
12篇のエレジー。ローマを旅した際の印象を記したものだと思う。韻律についての知識は皆無なので、ただ読んで美しい言葉の連なりを楽しんだ。このような詩を珠玉と呼ぶのだろうということだけは分かった。2014/11/12
荒野の狼
5
本書は、「ローマ悲歌」のロシア語の全文とその全訳を収録したもので、「文藝空間」第7号(1987年)に訳載したものを、群像社版の刊行に際して改稿したものp60.「ローマ悲歌」は「ロシア・エレジー」の題名で、竹内恵子が「廃墟のテクスト 亡命詩人ヨシフ・ブロツキイと現代」(以下「廃墟」)の中で、数章にわたり、ロシア語原文、和訳、ブロツキイ自身による英訳とその和訳が掲載され、詳しい解説がなされている。2020/10/04
fonfon
5
「私人」もシックな装丁だったけれど、この本もとてもシックで美しい。翻訳のことばもすみずみまで好き。ブロツキイを読むとすてきに言葉を信じたくなる。後半はロシア語原語でした。でも所有できて大満足。しあわせ。2011/05/31
mstr_kk
2
12聯からなる詩。内容はまだ消化できていない。訳が良いようで、読みごたえは感じた。2014/03/08