内容説明
寒い寒いロシアの冬に人々の体を芯から温めてくれるのは作家たちが腕によりをかけて作ってくれたクリスマスの物語。幻想的な気配のなかにも人の心を映しだすものがあって、そしていつも幸せが訪れる、そんなクリスマス・シーズンの出来事を語っているとっておきの話を集めて、日本の寒い冬に贈ります。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
84
クリスマス(シメリョフ):ずらりと並んだ豚。クリスマスのご馳走。この日の一番星は特別なの。ぶった斬った豚の切れ端は、貧しき人が持って行けるんだよ。ザリガニの鳴いた時に(テフィ):芥川龍之介の猿沢池で竜が登る話のような伝承の広まりと、人の欲。ドストエフスキーのクリスマスでは、貧しい人の救いは天にしかない。先に亡くなった母と出会えた子供たちは笑顔で母にキスをするが、母たちは泣いている。子供たちは寒さと飢えで亡くなってしまったということだから。悪人になる前に召されたのが救いなのか。ああ、天よ!と言いたくなる 2024/12/25
かもめ通信
18
С Рождеством Христовым!(ス・ロジェストヴォーム・フ リストーヴィム!)ロシアの物語を読んでクリスマス気分にひたってみた?! ナボコフ、ドストエフスキー、チェーホフにブーニンとかなり豪華な執筆陣のクリスマスにまつわる13編の物語をあつめたアンソロジー。 2014/12/24
ポテンヒット
11
この季節ならではの一冊。ザ・クリスマスというものもあれば、これのどこがクリスマス?というのもある。ドストエフスキーやチェーホフ、ナボコフといった超有名作家も収録されている。ナボコフは(やっぱり)蝶が登場する。どの作品もマロースと呼ばれるロシアの酷寒の描写が美しい。とてつもなく寒そうだけど、冬のロシアの情景が眼前に浮かんでくる。2023/12/20
えのこ
4
クリスマスが近いので読みました。読んでいるうちにロシアの冬の厳しさと美しさが思い出され、また、ロシアの伝統・慣習も織り込まれていて、本当に「ロシアのクリスマス物語」である一冊です。さらに、ロシアならではの皮肉が効いてる物語もあって、色々なロシアを楽しめます。2015/12/18
滑稽ウツボ
2
クリスマスも近いので読んでみた。収録されている作品の中ではブーニンの「イーダ」が好き。2019/12/16