内容説明
カフカースの山々を背景にした名作『現代の英雄』で社会からはじきだされた孤高の青年像を世に問い、反動的で暗い時代を切り裂いて駆け抜けた天才の27年のまぶしくも短い生涯―。プーシキンを継ぐ詩人として世の注目を浴びながら二度にわたり激戦地カフカースへの追放処分をうけ、二度目の決闘で短い生涯を終えた。ほころびはじめた上流社会の虚飾をきらい遙かなるカフカースの大自然を愛した詩人の世界。
目次
プーシキンが死んだ
逮捕、そして裁判
最初のカフカース追放
追放の恵み
ヒーローの帰還
詩人の恋
社交界の花形
話題作『デーモン』と皇室の関心
憂鬱な青年
最初の決闘
決闘の代償
再びカフカースに
ワルワーラへのおもい
最後の帝都
死出の旅
ピャチゴルスクでの評判
決闘へ
死と波紋
著者等紹介
今井博[イマイヒロシ]
1939年生まれ。早稲田大学文学部露文科卒業。ラヂオプレス通信を経て、毎日新聞のモスクワ特派員、産経新聞のモスクワ特派員として、ソ連末期から崩壊後の新生ロシアを報道。現在は東邦大学、学習院女子大学で非常勤講師
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