内容説明
画期的な研究の完成を目前にした科学者たちの前に次々と現われる奇妙な訪問者とは誰か?映画「ストーカー」の原作者ストルガツキイが描く世紀末のファンタスチカ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ニミッツクラス
27
89年(平成元年)2月の1300円の単行本初版。消費税3%は同年4月から。ストルガツキイ兄弟の本書、読むと紙幅に余裕を感じ、どうやら中編らしい。大仰な主題と「異常な状況で発見された手記」の副題がある(ちなみにレムは「浴槽で発見された手記」)。“異常な状況”の意味が曖昧で、手記の抜粋と言う形で出来事を描写。エイリアンだか不老不死人の“九人同盟”だかの人類の将来を見据えた深謀遠慮(これも推測でしかない)に掻き回される主人公ら数人の幾分気の毒な話。訳者深見氏がSFと言い切ってあるのでSFなのだろう。★★★★☆☆2023/06/27
はげまる
10
Aソクーロフ[日陽はしづかに発酵し]の原作がSFの古典というのは知りませんでした。1970年代ソ連の設定だが、現代日本の流行語[忖度]に繋がる物語でもあり、普遍性は、空恐ろしいくらい。人間、社会の進歩のなさが心底気持悪いとも言えますが。ソ連の共産主義的監視社会の不条理を宇宙の理にまで昇華してしまう壮大なSF。この物語においてSFという手法の必然性とその効果は、本当に素晴らしすぎる。SF的な[均整のとれた宇宙]の不気味さはSF映画としても観てみたいなあと思った、2017/03/26
ヴィオラ
8
とんでもない傑作のような、とんでもない駄作のような…なんだか不思議な感触。これはもっかい読んだ方が良さそう。 不条理な状況を、イコールで当時のソ連の政治体制うんぬんに結びつけるのは違うと思うのだけれど、よく分からない状況=どんな解答でもあり得る展開に結びつける方法論はアリかな?と。2019/06/04
sezmar
4
信頼できない語り手?っぽいSFには根強い需要があるのかな?と思いつつ読了。さくっと読めるが面白さを理解するのは難しそう。2014/01/17
引用
3
絶対に今読んだ方がいい、スケールアウトした超巨大なものへの態度の問題2022/04/06