ロシア名作ライブラリー
検察官―五幕の喜劇

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  • サイズ B6判/ページ数 181p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784905821212
  • NDC分類 982
  • Cコード C0398

内容説明

とある地方都市を牛耳ってきた市長のもとに中央官庁からひそかに役人が監査に入ったとの知らせが届いた。長年にわたる不正とワイロ漬けがばれては大変と市長をはじめ市の顔役たちは大あわて。にわかに清廉潔白をとりつくろい、監査の役人には接待攻勢をかけて保身をはかる。ところがこの役人が役人違いと分かって…いつの時代も観客の心をつかみつづける役人と不正という永遠のテーマ。ゴーゴリの代表作。訳注なしで読みやすい新訳版。

著者等紹介

ゴーゴリ,ニコライ・ワシーリエヴィチ[ゴーゴリ,ニコライワシーリエヴィチ][Гоголь,Н.В.]
1809‐1852。ウクライナの小さな村に生まれ、帝政ロシア時代の首都ペテルブルグに出て下級官吏となりながら作品を書く。ウクライナを舞台にした作品集『ディカーニカ近郷夜話』で文名を高め、その後『ネフスキイ通り』や『鼻』『外套』などのぺテルブルグを舞台にした小説で幻想と現実の入り混じった独特の世界を確立した。プーシキンとともに、その後のロシア文学に与えた影響ははかりしれず、現代にいたっても多くの作家がゴーゴリを意識した作品を生み出している。19世紀のリアリズム作家としての評価から20世紀初頭のフォルマリズムによる再評価と、常に読み直され、演じ直され続ける小説家・劇作家である

船木裕[フナキヒロシ]
翻訳家。比較文学・比較文化
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感想・レビュー

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ゆーかり

17
舞台を観るため別訳で再読。訳注なしで読みやすい新訳版とあるが、これまでのものがそんなに訳注があったのかは不明。中央官庁から隠密で監察官が来るという知らせに、普段から不正や賄賂と好き勝手している役人や大物たちは大慌て。宿にいる男がそうではないかとなり…。お芝居は翻案とあるように逐一演じられてはいなくて台詞も繰り返しがあったように思う(能や狂言みたい?)。文字で読むとロシア名でひっかかるので演じられているのを観る方がテンポが良い。愉快で滑稽。「この世の中、何も罪を犯していない者なんているのかね、え?」2017/10/22

yutaro sata

10
この混乱。この馬鹿馬鹿しさ。2022/05/14

donky

3
ゴーゴリの戯曲を初めて読みました。「鼻」「外套」の不条理性や独白的世界と違って、多重でテンポの良い台詞回しなど、戯曲家としてのゴーゴリの才能にも驚きました。市長他顔役たちの俗物的小心さや醜さ、商売人たちの媚びへつらいの卑屈さも活写されて、風刺にあふれています。市長夫人と娘の恋の鞘当てがいかにも滑稽で、検察官が人違いであることが判明した折の二人の言い訳が知りたくなります。2017/01/30

nightowl

2
中央から郡部へ官吏がやって来る知らせを受け、市長や判事や地方のトップたちは大騒ぎ。親からの仕送りで放蕩生活を送る男をその官吏と間違えたことから喜劇が始まる。権力に踏ん反り返りつつ、目上の者には媚びへつらう人物を皮肉る様が最高。チェーホフの「熊」も面白かったので、もっとロシア喜劇を読みたい。舞台版はロシア音楽に合わせて踊る場面、必死な市長、フレースタコフの段々調子に乗る様子、ちょこまか動く彼の従者が印象的だった。また華やかな演出が意外。2017/10/01

Tonex

1
書名はすでに定着している『検察官』のままだが、本文中では「監察官」と訳されている。訳注を一切つけず、説明は本文中に組み込み、あえて大胆な意訳を採用するという翻訳方針。2014/10/11

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