内容説明
社会主義革命による新しい時代の到来に酔うソヴィエト・ロシアのなかで、モダンで幻想的な物語によって一躍人気作家となりながら、体制の支配的文学理論によって批判され、沈黙したオレーシャ。社会から逃げ出すこともなく、反体制作家として闘うこともなく、書くことだけを頼りに、全体主義との不器用な格闘をつづけた作家の軌跡にみる20世紀の芸術家の肖像。
目次
1 王子と乞食
2 オレーシャの「沈黙」
3 変容の機械
4 家族小説
5 人間の素材
6 私は過去を眺める
著者等紹介
岩本和久[イワモトカズヒサ]
1967年(昭和42年)生まれ。東京大学文学部卒業。同大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。現在、稚内北星学園大学情報メディア学部助教授。専門はロシア文学
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