内容説明
“悪”とは何か―。人々を脅かす避けるべき“悪”、その一方で人々を魅了する“悪”。我々が甘受すべき、「よりマシな“悪”」とは何か。教育、社会、宗教、政治などを主題に、“悪”について考察する。「よりマシな悪」の思考が、現代社会の閉塞を打開するかすかな道を照らす。
目次
悪の擁護、あるいは民主主義についてのノート
第1部 抗いと甘受の閾(悪とは何か―デューイの倫理学から考える;災害の分配的正義論―リスクと責任;ジョセフ・ラズにおける二つの正統性;道具的理性批判の現在―啓蒙のプロジェクトの今日的課題について)
第2部 共生の身悶え(政治科学の進化論的転回―保革闘争の遺伝子文化共進化について;宗教という「排除できない悪」;教育と責任;悪を歓待する―民主主義的な集団の(不)可能性について)
解題 「感情の劣化」への抗いを全体主義のリスクを回避して進める手だてはあるか?
著者等紹介
宮台真司[ミヤダイシンジ]
1959年生まれ。東京大学大学院博士課程修了。社会学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。