内容説明
激動する世界を生きた偉大なるチェリストの生涯を丹念に追う。音楽と政治をめぐる研究の新境地。
目次
第1章 カタルーニャから世界へ 一八七六年~(カタルーニャのポジション―ローカルでありグローバル、山と海の間;二つの側面を持つカタルーニャ―社会階層の分裂化 ほか)
第2章 フランス亡命下のカザルス 一九三九年~(カザルスと宗教;スペインの頭脳流出と知識人ネットワーク ほか)
第3章 プエルトリコのカザルス 一九五七年~(米国とプエルトリコ;平和への願い―プエルトリコから世界へ)
第4章 世界からカタルーニャへ 一九六四年~(世界平和とカザルス;カザルスの遺産)
著者等紹介
細田晴子[ホソダハルコ]
日本大学商学部助教。東京外国語大学外国語学部スペイン語学科卒業。スペイン国立コンプルテンセ大学歴史学博士。外務省に入省、在スペイン日本国大使館などに勤務。早稲田大学国際教養学部などを経て2011年より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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秋津
0
世界的なチェロ奏者カザルスについて「カタルーニャ人」、「文化国際主義者」としての側面に焦点を当て、「音楽と政治の相互関係」について考察した一冊。音楽を通じてカタルーニャの民族自決を求め、国際的に活動するなかで「国際平和」「ベトナム戦争擁護」など、彼の行動に元々意図しない様々な意味合いが付与され、紆余曲折を経ながらも結果として彼の行動に大きな成果をもたらしたのは大変面白いなと。「普遍的なもの」としての音楽と政治の関わりについて学ぶことができました。2014/12/21
Tomy
0
荒れ狂う20世紀の国際政治の中で、音楽という武器を手に信念を持って演奏(こうどう)したチェリストの評伝。これからは単純な気持ちでバルサを応援出来なくなるな。2014/07/02