内容説明
適時・正確な記帳、月次決算、中小会計要領の適用等の基本となる考え方を示す古今東西の簿記・会計先覚者の「金言」を収録。「会計で会社を強くする」の信念の源流がここにある。
目次
すべての自らの取引を秩序正しく適切に処理する。秩序のない処では、すべては混乱に陥る。―ルカ・パチョーリ
商人が帳簿を備えることは、商人の事業をよく遂行していくために有利なことである。―ジャック・サヴァリー
すべての紳士が商人簿記を完璧に学ぶとともに、「商人簿記はその名称が商人から由来し、主として商人によって実践されているので、自分たちに関係のない技術である」と考えないように忠告したい。―ジョン・ロック
正確な簿記は、その事業に心を砕き、繁栄しようとする人間の現象である。―ダニエル・デフォー
複式簿記が商人にあたえてくれる利益は計り知れないほどだ。―ゲーテ
だらしない記帳は、破産者の特徴である。―ヴュルテンベルク王国
(商業帳簿によって)商人は、その業務のすべての状況を観察するようになる。―フランクフルト国民議会による1849年ドイツ帝国司法省商法草案(別名:フランクフルト草案)
商人の簿記というものは、商人あるいは専門的知識を有する第三者が、財産状態の全容を、必要に応じて、いつでも把握できるような性質のものでなければならない。―ドイツ帝国裁判所
文明は商業の親であり、会計は商業の子供である。したがって、会計は文明の孫に相当する。予防は治療に優る。―アーサー・ウルフ
秩序が経営感覚を鍛える。―ヴェルナー・ゾンバルト
会計はすべての企業に対して、過去についての間違いのない裁判官であり、現在についての必要な指導者であり、未来についての信頼できる相談相手である。―J.F.シェアー
合理的な資本主義的経営とは、その収益を、近代的な簿記という手段や決算書の作成などによって、計数的に管理する営利経営をいう。―マックス・ウェーバー
月次損益計算は経営の成行を速く注視し得るものである。―オイゲン・シュマーレンバッハ
資本主義的行動は貨幣単位を合理的な費用=利潤計算の用具に転化せしめる。複式簿記こそはその高くそびえる記念塔である。―ヨーゼフ・シュンペーター
年度決算書による時宜を得た商人の自己報告は、商人自身や債権者保護のために支払停止の回避を目的としている。―ウルリッヒ・レフソン
記帳義務及び貸借対照表作成義務は、まず第1に事業の自己報告に、さらにそれを越えて債権者保護に役立つとの思考がある。―クラウス・ティーデマン
いまなお、普遍性を持ったまぎれもない「マネジメント科学」と呼べるものは、複式簿記とそこから派生した手法だけである。―ピーター・ドラッカー
萬の事に付て、帳面そこそこにして算用細かにせぬ人、身を過るといふ事ひとりもなし。―井原西鶴
商売に一大緊要なるは、平日の帳合を精密にして、棚卸の期を誤らざるの一事なり。―福澤諭吉
商業帳簿の規定は、その国における事業経営に確実で一般的な保護を与え、資本の浪費を予防することが求められる。―ヘルマン・ロエスエル〔ほか〕
著者等紹介
坂本孝司[サカモトタカシ]
税理士、米国公認会計士、博士(経営情報科学)。1956年浜松市生まれ。神戸大学経営学部卒。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程単位取得退学。中小企業庁「中小企業の会計に関する研究会」(2002年)専門委員、同「中小企業の会計に関する検討会WG」(2010年)委員、経済産業省「中小企業政策審議会」(2011年)委員、愛知工業大学経営学部・大学院教授(2012年‐2021年)を歴任。現在、TKC全国会会長、TKC全国政経研究会会長、中小企業会計学会副会長、静岡産業大学客員教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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