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内容説明
誘拐、サルたちとの生活、売春宿、そしてストリート・チルドレン…。数奇で過酷な運命をへて幸せをつかんだ、ある少女の真実の物語。
目次
第1部 ジャングル(誘拐;緑の地獄;無数の目;サルまね ほか)
第2部 人間の世界(後悔;悪夢の旅;カルメン;忍従の日々 ほか)
著者等紹介
チャップマン,マリーナ[チャップマン,マリーナ] [Chapman,Marina]
1950年頃、南米で生まれる。正確な出生地や誕生年は不明。のちにイギリスに移住、1978年に結婚。二人の娘と三人の孫に恵まれる。イングランド北部ブラッドフォード在住
宝木多万紀[タカラギタマキ]
1982年生まれ。国際基督教大学を経て、上智大学大学院仏文専攻博士前期課程修了後、2010年まで日本放送協会に勤務。現在はフリー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のっち♬
112
5歳前に誘拐され、ジャングルで猿と共に生きた著者がアイデンティティを取り戻すまでの旅路。幼児の視点を意識した飾らないシンプルな表現で、サルをはじめとする動物や虫たちの表情や息づかいが瑞々しく描き出されている。所々で話を盛っているのではないかと思うほどドラマとペーソスに彩られているが、人間社会でどれだけ虐げられても人間を諦め切れない彼女の切実さと、身の危険を顧みずに手を差し伸べるマルハの懐の深さは心に訴えかけるものがある。豊かな色彩と力強い生命力に満ちた一冊だ。「心の絆—それは血のつながりよりも大切なのだ」2021/02/11
浅葱@
65
5歳の子どもが本物のジャングルに捨てられ、生きていくことができるなんて信じられないが事実であり、奇跡。猿の群れに出会い生き延びるために猿に学び、猿の中で生をつないでいく。その彼女が人間を見かけ、ついて行く姿はせつなかった。人は人を求める。でも、ハンターは彼女を金で売り、人間社会の裏から裏へ。逃げても逃げても悪い所へたどり着き、でも人間を学び、ギリギリで踏ん張り、良い方へ向かおうとする。学ぶ柔軟さ。人を見極める、命を守る感覚。本当の警告をしてくれる人もいた。逃げた先でマルハと出会い、やっと自由で→2014/07/16
ぶんこ
47
5歳前に誘拐されてジャングルに置き去りにされた女児。生きる為に猿の仲間になる。連れ去ったのが男性だったので、男の人には嫌悪しかないものの女性には母親への思慕が強烈で、ついついて行ってしまった結果売春宿に売り飛ばされる。近所の親切な婦人の助言で逃げ出しストリートチルドレンに。そして間違ってマフィアの家で奴隷のような境遇へ。そこの隣に住む9人の子の母であるマルハに助け出されて人間らしい生活を得るまでが波乱万丈過ぎて辛かった。人はどこまで残酷になれるのか。マルハの勇気が最も印象に残りました。尊敬します。2019/01/31
まめ@暫くイン率落ちます
45
ジャングルへ捨てられ猿に育てられた少女の数奇な運命。事実は小説より奇なり。本当にこんな事ってあるんだ。言葉などはなく、常に感覚で暮らす。自分とは何者か?アイデンティティを模索するということすら難しかった。ジャングルを出て人間が住む世界へ愛を踏み入れたが愛を知らず育つマリーナ(彼女が自身でつけた名前)の心はどんどん荒んでいく。家族とは?人の温もりとは?彼女に手を差し伸べたマルハが居なければ今頃どうなっていたんだろう。やはり人は人から愛されなければならない。2019/01/09
あかり
45
衝撃的な話でした。彼女が生きて大人になれた事は奇跡と運が良かったとしか言いようがない。続編があるなら読みたいと思う。2014/06/22