内容説明
2000年にサモアで始まった廃棄物分野の技術協力は、パラオ、バヌアツ、フィジーと広がりを見せ、10年後には大洋州11島嶼国にまたがる広域プロジェクト『J‐PRISM(大洋州地域廃棄物管理改善支援プロジェクト)』に発展した。技術協力の成果は、新設された施設や明文化された制度・計画では測ることはできない。カウンターパート(相手)のためにいかに環境を整え、彼らが成長する機会をどれだけ提供できたかにかかっている。そう、技術協力は『人に始まり、人に終わる』。本プロジェクトを統括したJICA専門家が、サモア出身の1人の青年との出会いと成長の記録を通じて、報告書からは見えない裸の人間ドラマを描く。
目次
第1章 船出―廃棄物協力はいかに始まったか(桜井レポート(出港準備)
サモアってどこ?(目的地) ほか)
第2章 荒波―二国間プロジェクトの開始とサモアモデルの没落(パラオの国際会議(針路変更)
サモアのめざましい改善(順風満帆) ほか)
第3章 新たな海図―二国間協力から広域協力(J‐PRISM)への発展(二国間協力(定期航路)
志布志からブラ!(補給船) ほか)
第4章 嵐との遭遇―広域プロジェクトの苦闘と南南協力の促進(J‐PRISM開始(出帆)
サモアの憂鬱とバヌアツの進歩(暗礁) ほか)
第5章 生還―技術協力でもたらされた成果(2015年沖縄研修(挑戦)
ステアリングコミッティー(凱旋) ほか)
著者等紹介
天野史郎[アマノシロウ]
インスピラーレ開発研究所代表。大学卒業後25年間ゼネコンに勤務。ナイジェリア、インドネシア、ネパール、米国などで建設および環境修復プロジェクトに従事。1984年~1986年米国大学院留学。2000年に同社を退職し、JICA長期専門家(廃棄物処理)としてサモアの地域国際機関SPREP(太平洋地域環境計画事務局)に派遣され、サモアのタファイガタ処分場改善指導や14カ国対象の広域研修実施などの活動を行う。2004年にJICA広域企画調査員(環境)として1年間パラオに勤務。帰国後2005年から2017年までJICA国際協力専門員(環境管理・廃棄物)。この間にアジア・太平洋、中南米地域の国を中心に案件形成、評価、プロジェクト運営指導などに携わる。2011年~2016年、11カ国を対象とする大洋州地域廃棄物管理改善支援プロジェクト(通称J-PRISM)チーフアドバイザー兼務。2017年10月から2018年9月までJ-PRISM(フェーズ2)チーフアドバイザー代理(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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