内容説明
1980年代以降のタイ農村では、ブッダの教えを指導原理として、テーラワーダ僧侶が積極的に開発問題に取り組んできた。本書は、彼ら「開発僧」を思想的に支えたタイの碍学・パユットー師の講演記録である。仏教の修道と社会貢献の不可分性を説くパユットー師の言葉は、「エンゲージド・ブッディズム(社会参画仏教)」が叫ばれる現代において、あるべき仏教の未来形を先取りしている。仏教の実践がもたらす調和社会の構想がここにある。
目次
第1部 仏教の心髄―プラ・タマピドック(仏教の要諦;仏教の心髄;生き方のための法の原理)
第2部 自己開発―プラ・ラーチャ・ウォーラムニー(物の開発から心の開発へ;開発(パッタナー)とは何か
自己開発の方法
自己開発の基本)
第3部 人間開発について―プラ・プロムクナーポン(法は進歩するために使うもの(知足と放逸)
法の実践はバランスが必要(慈悲喜捨))
著者等紹介
パユットー,ポー・オー[パユットー,ポーオー][Payutto,P.A.]
1938年、スパンブリー県生まれ。本名プラユット・アーラヤーングーン・パユットー。13歳で出家。沙弥にしてパーリ語試験の9段に合格し、1961年、エメラルド寺院にて得度。1964年、チュラロンコン仏教大学で仏教学の学位を取得。その後、各大学で名誉博士号を受賞。1994年、ユネスコ平和賞受賞。その他、受賞多数。現在、ナコンパトム県ヤーナウェーサカワン寺住職
野中耕一[ノナカコウイチ]
1934年、愛知県生まれ。1961年、東京大学農学部農業経済学科卒業。同年、アジア経済研究所入所。1965年、タイ国カセサート大学留学。1977年、アジア経済研究所バンコク事務所代表。1979年、JICA専門家としてタイ国メイズ開発計画に参加。1990年、タイ国チュラロンコン大学客員研究員。1992年、アジア経済研究所理事。1997年、川崎医療福祉大学客員教授。1983年、『農村開発顛末記』により第20回翻訳文化賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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