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著者等紹介
寺倉巧治[テラクラコウジ]
1974年東京生まれ。1999年一橋大学社会学部卒業、2001年一橋大学大学院言語社会研究科修士課程入学、2004年同研究科修士課程修了、2004年同博士課程入学。2005年~2006年スウェーデン政府奨学金を得てウップサーラ大学に留学。2007年より外務省研修所スウェーデン語講師。2010年一橋大学言語社会研究科博士課程中途退学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まふ
106
スウェーデンの大作家ストリンドベリの代表作の一つ。若き官僚のアルヴィド・ファルクが官僚制度に失望し、作家として生きることを決意する。問題意識を共有する若者が「赤い部屋」というカフェに集まって腐敗した社会や偽善的社会を批判しあるべき姿を議論し、模索するが、思うようには進まず苦慮する…。友人知人など様々な人物が絡み合っていささか読み疲れした。かつて強国であったスウェーデンという国がギリシャ、スペイン、イタリアなどと同様な沈滞国家となっている現状を憂う憂国の士のような位置づけである。G588/1000。2024/08/13
Э0!P!
3
若者たちの芸術家としての情熱。売れるということ自体には一定の価値があろうとも、その道は、必ずしも個人の尊厳を満たさず、世間や権力者への阿諛追従が強いられる状況へとつながっている。先に生まれたものたちは後に生まれたものたちから収奪をする。勝利は程遠くしばしば若者たちは敗北する。(そしてニヒリズムに走る)。だが、情熱は本物である。敗北したのちも必ずや時宜を得て復活の灯火が高々と掲げられる日が来るはずである。2024/05/20
takeakisky
0
とにかく古臭い残念な日本語。「ボク」には違和感。現代の翻訳の方が楽だろう、原語からの訳だし(先行する新潮の世界文藝全集は、英、独語からの重訳)、とこちらを購入したのだけれど、大正五年の日本語の方がしっくりくる。細かい部分の異同がかなりあるのも気になる。肯定否定が両者で違ったりする。感覚的に新潮版の方が意味がとれて、ずれが少ない気がする。どちらにせよ、瑞語が読めるわけでもないので確認のしようもない。並行して読む。結局、新潮版を読み、本書は副読本の位置に落ち着く。終盤先行訳より大分スリムで、エピローグもない。2024/10/18