内容説明
西門慶の淫蕩の続く中、第六夫人李瓶児が男児を出産。西門慶は『朝廷の命により提刑所理刑に任命』という僥倖を授かる。ところが嬰児は病弱、夫人は産後の肥立ち悪く、母子ともに末後の悲運を予感させる。後に西門慶が死すと、一家は時敗れ、勢衰えて、呉月娘が寡婦を守って過ごす中、平安は蔵から盗み出した髪飾りを売飛ばし、金を女郎買いに蕩尽し、駅丞となった呉典恩がこれを捕えて重罰に処し、さらに月娘が玳安と密通したと虚偽の証言をその平安にさせ、月娘を無実の罪に陥れ、果ては官によって奴隷女として僻地に売却されてしまうという恩はすべて仇で返す展開が待っている。
著者等紹介
横山民司[ヨコヤマタミジ]
1937年信州長野県に生まる。埼玉大学・東京都立大学にてドイツ文学を修め、文学修士。後に北欧文学に転向。The Swedish Instituteの招きによりウプサラ大学に留学(75‐77)。都立大学助手、成蹊大学講師、東京水産大学助教授、東海大、目白大教授を経て2008年停年。プレスポート・千点世界文学大系主幹(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。