出版社内容情報
二十世紀を代表するサミュエル・ベケットの戯曲『ゴドーを待ちながら』を下敷きに、いとうせいこうが"待たれている男”を描いた一人芝居『ゴドーは待たれながら』。そのオリジナル戯曲を完全掲載。
演出家、ケラリーノ・サンドロヴィッチと、俳優、大倉孝二へのインタビュー、いとうせいこう、佐々木敦、岡室美奈子、野田秀樹による寄稿及びコメント、そして一九九二年の初演に出演した、きたろうを交えた座談会を収録。(帯より)
感想・レビュー
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吉田あや
78
ベケット「ゴドーを待ちながら」を下敷きに、待たれる男の立場から描いた一人芝居原作。ただひたすらゴドーを待つ原作と基本的には同じような流れ、象徴的なアイテム、繰り返す煩悶をしながら、ひたすら待ち合わせ場所を目指そうとするも出掛けられない男が描かれる。本家のように2人で苦悶しながらバランスをとっていくよりも更に滑稽であり、渦巻くような思考の救いのなさが反転して可笑しみへと変わり、苦行そのものの一人芝居は悲劇性の一切を吹き飛ばし、喜劇でしかなくなっていくのが最高に面白い。(⇒)2020/03/23
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- 和書
- 山狩 光文社文庫