内容説明
消費税は「逆進性」があるから、低所得者層に負担が大きく、不公平?それは間違い!「消費税は不公平」という固定観念を、だれでも入手できるデータを駆使して論破。本書を抜きにして増税論議は進まない。
目次
序章 消費税の実態を解明する本書の視点
第2章 消費者統計で見る公平さの実態
第3章 「逆進性」は統計上存在するか?
第4章 「逆進性」問題の発生とその理由
第5章 低所得者は廉価購入で消費税負担が少ない
第6章 階層別転嫁率考慮で「逆進性」は消滅
第7章 消費税額還付で「逆進性」は減退・消滅
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mazda
12
著者曰く、低所得者は買い物コストが低い。高所得者は高級ワインを買い、低所得者は低価格ワインを買うらしい。しょうゆも酢もビールもすべてこの調子。安物を買うから消費税の負担が少ないって、それ当たり前でしょう。高級品には元々物品税があり、高所得者が払っていたその税を廃止する代わりに消費税を導入しているのだから、それまでなかった負担を低所得者にかけているわけで、同じものを買えば所得に関係なく同じ負担で逆進性が高いんです。それを、廉価版買うから逆進性がないって、詭弁そのものです。こんな論理の組み立てあり得ません。2023/01/03
言論空間
1
消費税の逆進性の有無ついて述べている。 割合は一定のため逆進性はないし、消費が多い高所得者の方が支払額が多いためむしろ弱者に優しいと主張。 データを出してはいるが、逆進性有り派への反論としては論点が違うため不十分。 絶対的か相対的かで、逆進性があるかないか決まる。逆進性の有無について議論することの無意味さを理解できる本
Hiroki Ishiyama
0
筆者は大学教授だが、おわりに、では自らを低所得者であるとし、そんな自分にとって有利な税体系は消費税を増税し、社会福祉を充実する事にあるとしている。一般に言われる逆進性はなんだったのか。メディアやポピュリズム政治家による洗脳によっていかに増税が不公平を助長するか、と思っている一般市民にぜひ読んでもらいたい。ただ個人的には消費税増税の前、または同時に所得の補足率を高めるような政策は必須だと思う。2011/12/17