出版社内容情報
“労働者は秘かに労働局に相談している。”
多くの事業所は「労働法の罠」に対して無防備である。厳しい解雇規制,問題社員への注意指導,長時間労働,セクハラ・パワハラ問題,精神疾患労働者への対応等々,事業経営には様々なリスクが潜んでいる。労働法令に精通することは難しいが,問題が起こる前に労働法の考え方を知り,ポイントを絞って対応すれば,そのほとんどは予防可能である。
本書は,事業所側から見た「労働法の罠」への予防と対策を,実際の事例を挙げながら分かりやすく解説する。
感 謝
■労働法の原則
労働法の「使える」基礎知識/労働基準監督官による臨検監督
採用難,雇ってもやる気はなく流出リスク…… /外国人アルバイト雇用はご用心
神職は「労働者」にあたるか/神職も僧侶も労働基準法上は労働者
十七条の憲法の視点で労働法改正を/学校教育は「人間」を育む場であることを希う
■労働時間
どこまでが「労働時間」なのか/事業場外みなし労働時間制
時間外削減は事業所を守るため/労働時間の記録と実態の乖離が許されない時代へ
長時間労働への厳しい認識と書類送検/労働時間も過労死も増加しないが社会が変わった
抜け道の無い労働時間規制
■賃 金
給与と在籍労働者の流出防止/新三種の神器,職務内容,責任程度,評価記録
「不合理な違い」にご用心/同一労働同一賃金ガイドライン
■就業規則
就業規則変更の留意事項/精神疾患労働者への対応と休職規定
退職金規定と従業員区分の定義/懲戒権行使と法律上の取扱い
国歌斉唱,筋の通らぬ司法判断
■注意指導
注意指導の3類型/書証の重要性
懲戒処分の留意点,二重処罰禁止・減給処分上限
■紛 争
「覚えてない」の考察/労働者は密かに労働局に相談している
合同労組とその対応/非正規労働者の適正管理で合同労組対策
ハラスメントに関する最高裁判例/あっせん解決金に基準は不要
報復されたら困る労働法的事情があると……
■退 職
3月退職者とリスク予防/退職勧奨の裁判例と応用
労働者による契約破棄は保護される権利/目前に迫る有期雇用の無期転換制度
転籍合意を得るための事前協議の重要性
■解 雇
厳しい解雇規制がもたらした悲劇/解雇と無罪推定
今こそ明確な解雇基準の確立を!/副業,兼業と解雇
副業,兼業をなぜ促進?/信頼関係の破壊と解雇
公務員の軽すぎる処分と民間の極端な処分/解雇金銭解決制度の必要性
あとがき
安藤 政明[アンドウ マサアキ]
著・文・その他
目次
労働法の原則
労働時間
賃金
就業規則
注意指導
紛争
退職
解雇
著者等紹介
安藤政明[アンドウマサアキ]
特定社会保険労務士、行政書士、一級FP技能士・CFP、認定心理士。熊本県立済々黌高等学校、西南学院大学商学部、中央大学法学部通信教育課程、武蔵野大学通信教育部人間科学部を卒業。平成10(1998)年、安藤社会保険労務士事務所開設。労働判例研究会主宰、リスク法務実務研究会主宰、労務士業務研究会主宰、中央大学法学部通信教育課程福岡支部講師(労働法)、社労士会労働紛争解決センター福岡あっせん委員、警固神社清掃奉仕団団長、福岡地方史研究会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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