内容説明
信用制度のもとでの利子生み資本の具体的な形態は、実物資本(産業資本および商業資本)の手から銀行のもとに集中した貸付可能な貨幣資本である。『資本論』第3部エンゲルス版第28~32章に使われた草稿部分を取り扱うこの巻では、銀行のもとにある貨幣資本を構成するのは貨幣請求権であり、「架空資本」であることを明らかにしたうえで、この貨幣資本の蓄積が実物資本の蓄積から自立化しながら、結局、実物資本の運動に引き戻される過程を解明する。
目次
第3篇 信用制度下の利子生み資本(「流通手段と資本。トゥクとフラートンとの見解」(エンゲルス版第28章)に使われたマルクス草稿について
「銀行資本の構成部分」(エンゲルス版第29章)に使われたマルクス草稿について
「貨幣資本と現実資本」(エンゲルス版第30‐32章)に使われたマルクス草稿について
マルクスはmonied capitalという語をどこからとったのか―『資本論』第3部第5章のキーワードの出どころを探る)
著者等紹介
大谷禎之介[オオタニテイノスケ]
1934年、東京都に生まれる。1957年、立教大学経済学部卒業、同大学院経済学研究科に進む。1962年、東洋大学経済学部助手。同専任講師、助教授を経て、1974年、法政大学経済学部教授。経済学博士(立教大学)。1992年から、国際マルクス=エンゲルス財団編集委員。2005年から、法政大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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