内容説明
家事労働は労働力価値を構成するか。マルクスの労働価値論を精緻化・発展させて、経済学とフェミニズムの再構築を試みる。
目次
第1章 マルクスにおける労働力価値規定と家事労働
第2章 家事労働と労働力価値をめぐる論争
第3章 家事労働と労働力価値との量的関係
第4章 家事労働と労働価値論
第5章 家事労働と「労働力の価値分割」
第6章 「労働力の世代的再生産」と剰余価値論
著者等紹介
森田成也[モリタセイヤ]
1965年生まれ。駒澤大学、國學院大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆう。
18
家事労働には価値があるのか、その問題を研究したのが本著であると思います。著者は家事労働は、それが労働力を生産し再生産するうえで社会的・平均的に必要であるかぎりにおいて、労働力価値規定に入るという主張です。家事労働に価値があるのかは論争になっています。僕は生活の社会化に伴い、家事労働が社会化され、それが福祉・保育労働となったことを考えると、なぜ福祉・保育労働の社会的評価が低いのかをずっと考えています。それを考えるうえで家事労働をどのように捉えるのかは大切な問題だと思います。しかし、難しい問題ですね。2015/05/10