内容説明
今、一番大切なことは、東京電力と原子力の問題を、政治の道具から解放することである。その上で、事実と法律と論理だけを用いて冷静な議論をすることで、国民の前に新しい電気事業のあり方を提示し、国民の判断を仰がねばならない。既成事実化する福島事故の責任の所在に金融の専門家が一石を投じる。
目次
第1章 原子力発電を選択した国民の賭け
第2章 東京電力の賠償責任と政治判断
第3章 東京電力の利害関係者の地位
第4章 東京電力国有化という暴挙
第5章 改めて問い直す法律の正義と社会的公正
第6章 電気事業改革と電気の安定供給
第7章 原子力発電への新たなる賭けをめぐる政治と報道の良識
著者等紹介
森本紀行[モリモトノリユキ]
HCアセットマネジメント代表取締役社長。東京大学文学部哲学科卒。三井生命を経て、1990年ワイアット(現タワーズワトソン)に入社。事業として日本初の年金基金などの機関投資家向け投資コンサルティング事業を立ちあげる。2002年、HCアセットマネジメントを設立(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Honey
9
地震・津波・原発事故の被害があまりに甚大だったため、ともすれば感情に流されがちな国民感情。それをあおるマスコミや利用する政治家たち…自らを法に詳しいといいながらどうも変な言論…いろいろ気になっていましたが、この本を読んでかなりスッキリしました。時間は待ってくれませんし今更かもしれませんが、”法律の正義と社会的公正”について、やはり一度”冷静に”振り返っておく必要があると強く思いました。2013/05/29
Tomonori Yonezawa
1
【自腹】本棚減量作戦で解体〜スキャンの合間に再読。副題の「法律の正義と社会的公正」がよく似合う内容で、簡潔かつよく整理されて読みやすい本です。今さら読む必要があるとは思いませんが、原子力行政ってものに興味があるなら面白く読めるでしょう。2018/08/19