内容説明
ヴァイオリン作り50年。イタリア・クレモナ在住の職人が修業時代からストラディヴァリの秘密までヴァイオリンの魅力を存分に語る。故郷、師匠、家族、クレモナの生活…人とヴァイオリンの魂の交流!
目次
1 すべてヴァイオリンの話(天才ストラディヴァリという難問;伝統を受け継ぐ難しさ;国立ヴァイオリン製作学校 ほか)
2 クレモナ暮らし(教会近くの居酒屋;クレモナという町;天正少年使節への思い)
3 千住からクレモナまで(修業時代;父のこと母のこと;親友という宝もの ほか)
著者等紹介
石井高[イシイタカシ]
昭和18(1943)年兵庫県生まれ、東京下町育ち。本籍東京都港区芝。1970年からイタリアに永住。東京理科大応用化学科中退。東大工学部に国家公務員技官として奉職。ヴァイオリン製作家の内弟子を経て渡伊。イタリア国立ヴァイオリン製作学校卒業。1975年マエストロの称号を受ける。1980年クレモナ市民賞(ストラディヴァリ賞)受賞。ヴァイオリンはじめ弦楽器製作、講演会、個展など幅広く活動。ストラディヴァリやグァルネリなど名器の鑑定や修理。イタリア・ヴァイオリン芸術協会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Monsieur M.
6
イタリア・クレモナ在住の日本人のヴァイオリン 職人が、ヴァイオリン制作のこと、クレモナでの生活や生い立ちなどについて綴った本。タイトルほどヴァイオリン のことばかり語っているわけではないし、面白いのはむしろクレモナ生活についての章だったりもするが、問わず語りを本にまとめたような感じで、全体としてややとりとめのない印象は禁じ得ない。もう少しヴァイオリン についての話を聞きたくて手に取ったのではあったが、まあ、これはこれで面白かった。著者が作ったヴァイオリン を見て、聴いて、弾いてみたい。2018/10/24
しんしん
4
真摯に生きるヴァイオリン職人の手記。 この本を書き上げたころ余命3か月の宣告を受けた。 ヴァイオリン製作の職人としての姿勢から始まり、単身渡ったイタリアで友人たちから計り知れないほど助けてもらったことや、生い立ちのことや家族のことなどが語られている。 ひたすら職人として打ち込む姿勢を見て、自分の甘さを省みる。2016/02/15
Kuliyama
0
ヴァイオリン作りについてもっと丁寧にお書きになったら、さらに面白くなったのにと思いました。しかし残念ながら、この本を出された9月にお亡くなりになっていました。謹んでお悔やみを申し上げます。2015/11/27