内容説明
100万人以上の被曝者を生み、子どもたちの未来を奪う内部被曝が深く静かに進行する今。チェルノブイリの実情を調べ尽くし、32年間、脱原発を訴え続けた「市民科学者」が伝える「原発の実態」「被曝限度のウソ」「実現可能な未来エネルギー」。
目次
第1章 今、福島第一原発で何が起きているのか(「食い止められなかった」という無力感;臨界事故と炉心溶融事故の違い ほか)
第2章 なぜ、福島の悲劇を食い止められなかったのか(原子力問題との出会い;スリーマイル島事故の「幸運」 ほか)
第3章 放射能は子どもの未来を奪うのか(放射能雲は福島県中通りを流れた;広大な地域が「放射線管理区域」に入ってしまった ほか)
第4章 原子力に代わるエネルギーは何か(明確な「脱原発」の政策決定を;原発を止めても電力不足にはならない ほか)
著者等紹介
藤田祐幸[フジタユウコウ]
1942年千葉市生まれ。1965年東京都立大学物理学科卒業。1970年同大学大学院修了。理学博士。1972年慶応義塾大学教員(物理学)、2007年定年を一年残して退職、長崎県西海市に移住、半農半学の生活を始める。環境論、エネルギー論、科学史などを学ぶ。1979年3月のスリーマイル島原発事故を契機に反原発市民運動に参加。全国各地の反原発市民運動などを支援。1983年、エントロピー学会の設立に参加(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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k2jp
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放射能とはから始まり、被ばく上限が決まる歴史的経緯、スリーマイルやチェルノブイリ事故、日本への原発導入の経緯、安全でエネルギー効率の高い発電方法、巻末の付録資料で疑わしい原発誘致の経済効果や原発労働問題や意外と歴史のある水力発電と一般知識としては十分な内容。浜岡原発のタービン建屋が断層上にあるとか、電力会社社員が被ばく労働を免れている図版もわかりやすい。原発や核燃サイクルの裏に高純度プルトニウム製造が隠れているとの歴史的経緯を踏まえた指摘は鋭い。政府の原発再稼働に向けた強硬姿勢はここら辺から来てるのかも2012/05/06
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