内容説明
いつもの一本松が見えてきた。棒手振りたちのにぎやかな話し声が聞こえてくるようだ。「安さん、きょうも始まるよ」好評人情時代小説、第二弾。
著者等紹介
小原光衛[オバラコウエイ]
1947年岩手県宮古市生まれ。現在、「もりおか童話の会」会員。文芸誌「天気図」同人。華道・青山御流楽山会岩手支部長。岩手華道協会副会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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onasu
10
安兵衛は22歳とあるので、初巻から2年後。小間物の担ぎ売りや住まう長屋も変わらないが(時折しけ込む先も)、隣家に8歳年上で本草学を学ぶ一見斎(イチゲンサイ)要助が越してきてキャストに加わった。 それにしても、奥州の小藩の城下町という舞台がいい。一本松に集まる棒手振りたちが商売に回れば、町中の変事がことごとく知れ、安兵衛が親父と慕う棒手振りの頭・油売りの伊助が、密かに藩の御用を務めており、陰に日向に事を収めていく。 話しが日常のあれこれより、事件に流れているのがやや気になるが、続編も期待したい。2023/08/20