出版社内容情報
朝鮮半島南部の農村平沙里(ピョンサリ)に君臨する大地主崔(チェ)参判(チャムバン)を軸とした壮大な物語は、朝鮮王朝末期の1887年の秋夕(チュソク)に始まる。
村の日常には小さな諍いもあるが、村人や参判家の使用人たちは、各々の葛藤を抱えながらも懸命に生きていた。しかし、参判家で起きた前代未聞の事件が人々を動揺させる。
そんな中でも自分の殻に閉じこもり続ける参判家の当主致修は、母尹(ユン)氏夫人との間に長年にわたる確執があり、その発端となった暗い秘密も徐々に明かされる。
一方では、参判家の乗っ取りを企てる者たちがうごめいていたが、致修(チス)の幼い一人娘西姫(ソヒ)は、まだ自分を待ち受ける過酷な運命を知らない。
自序(朴景利、一九七三)
序文(朴景利、一九九三、二〇〇二)
第一部 第一篇 闇の足音
序
一章 西姫
二章 追跡
三章 谷の提灯
四章 謎
五章 市日
六章 村のおかみさんたち
七章 常民の潤保と中人の文医員
八章 五広大
九章 消息
十章 酒幕で会った猟師、姜
十一章 開明両班
十二章 夢の中の須弥山
十三章 ムーダン
十四章 悪党と魔女
十五章 最初の論争
十六章 伝説
十七章 襲撃
十八章 誘惑
十九章 使者
第一部 第二篇 追跡と陰謀
一章 消えた女
二章 尹氏の秘密
三章 失敗
四章 空と森が
訳注
崔参判邸の見取り図
訳者解説
朴景利[パク キョンニ]
1926年、慶尚南道統営市生まれ。
晋州高等女学校、ソウル家庭保育師範学校(世宗大学の前身)卒。
1955年に短編小説「計算」でデビュー、1957年に短編「不信時代」で 『現代文学』新人賞受賞。以後、次々と長編作品を発表し、各種文学賞を受 賞して実力派の作家としての地位を確かなものにすると同時に、韓国の女性作家の草分け的存在となった。
1969年から25年間にわたって書き継がれた大河小説『土地』は代表作であり、韓国現代文学における最も優れた作品の一つと評される。また「国民文学」として韓国で愛されてきたベストセラー小説でもある。
1994年に『土地』が完結した後も小説、詩、エッセイを書き続けた。晩年には環境問題に関心を深め、江原道原州の自宅菜園で有機栽培などしながら、意欲的に執筆を続けた。2008年没。享年81歳。
金 正出[キム ジョンチュル]
1946年青森県生まれ。1970年北海道大学医学部卒業。
現在、美野里病院(茨城県小美玉市)院長。医療法人社団「正信会」理事長、社会福祉法人「青丘」理事長、青丘学院つくば中学校・高等学校理事長も務める。
訳書に『夢と挑戦』(彩流社)などがある。
吉川 凪[ヨシカワ ナギ]
大阪生まれ。新聞社勤務の後、韓国に留学。仁荷大学博士課程修了。文学博士。
著書『朝鮮最初のモダニスト鄭芝溶』、『京城のダダ、東京のダダ』、訳書『申庚林詩選集 ラクダに乗って』、『都市は何によってできているのか』、『酔うために飲むのではないからマッコリはゆっくり味わう』、『アンダー、サンダー、テンダー』など。
内容説明
朝鮮半島南部の農村平沙里に君臨する大地主崔参判家を軸とした壮大な物語は、朝鮮王朝末期の一八九七(明治三〇)年の秋夕に始まる。村の日常には小さな諍いもあるが、村人や参判家の使用人たちは、各々の葛藤を抱えながらも懸命に生きていた。しかし、参判家で起きた前代未聞の事件が人々を動揺させる。そんな中でも自分の殻に閉じこもり続ける参判家の当主致修は、母尹氏夫人との間に長年にわたる確執があり、その発端となった暗い秘密も徐々に明かされる。一方では、参判家の乗っ取りを企てる者たちがうごめいていたが、致修の幼い一人娘西姫は、まだ自分を待ち受ける過酷な運命を知らない。運命を切り拓き、すべての生命を包み込む大河小説。韓国現代文学の最高峰、全20巻の完訳プロジェクト。
著者等紹介
朴景利[パクキョンニ]
1926年、慶尚南道統営市生まれ。晋州高等女学校、ソウル家庭保育師範学校(世宗大学の前身)卒。1955年に短編少説「計算」でデビュー、1957年に短編「不信時代」で『現代文学』新人賞受賞。以後、次々と長編作品を発表し、各種文学賞を受賞して実力派の作家としての地位を確かなものにすると同時に、韓国の女性作家の草分け的存在となった。1969年から25年間にわたって書き継がれた大河小説『土地』は代表作であり、『土地』が完結した後も小説、詩、エッセイを書き続けた。2008年没。享年81歳
金正出[キムジョンチュル]
1946年青森県生まれ。1970年北海道大学医学部卒業。現在、美野里病院(茨城県小美玉市)院長。医療法人社団「正信会」理事長、社会福祉法人「青丘」理事長、青丘学院つくば中学校・高等学校理事長も務める
吉川凪[ヨシカワナギ]
大阪生まれ。新聞社勤務の後、韓国に留学。仁荷大学博士課程修了。文学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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崩紫サロメ
Sachiko