内容説明
19人の写真家が出会ったニッポンのこどもたち!みんな競って遊んでいた昭和11年から51年撮影の元気な姿170点収載。
目次
第1章 戦前のこどもたち
第2章 困難な時代を生きる
第3章 働くこどもたち
第4章 楽しい学校生活
第5章 腕白小僧とお転婆娘
第6章 祭りと歳時記
第7章 高度経済成長のもとで
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あじ
59
胸の前で手を合わせた少年は、10歳くらいだろうか。ゴツゴツとした節に皺が寄り、あかぎれも見受けられる。その手は風雪に耐えた老木。子供らしからぬ年輪が刻まれ、立派な働き(手)である事が窺える。戦後の復興には50年かかると言われた。しかし先人達は10年余りで「もはや戦後ではない」時代を築き上げる。その日本の未来を担ったのが子供たち。貧しさの中で学び、遊び、働き実に生き生きと煌めいている。豊かさの本質を問う数々の写真は、昭和の名カメラマンたちのショット。生きる事の悲喜交交が濁流となり、私を飲み込んだのだった。2014/11/07
ぶんこ
53
実に懐かしい光景の数々に胸がキュ〜ン。土門拳さんの故郷近くで育ったので、彼の写真が一番キュ〜ンでした。都会のアスファルトの道の真ん中でもゴム跳び、縄跳び、羽根つきができたのが懐かしい。お祭りの日は学校も半ドンでした。昭和世代にはたまらない写真集。思わず自分の子供時代のアルバムを見てしまい、そこにカメラの無い家が多かったので、勝手に子供を写して、親に売りつけに来ていた写真が残っていて、さすがプロらしい絶妙なショットでした。2016/04/26
はる
46
子どもたちの表情がとにかく素晴らしいです。名だたるカメラマンたちが写した、昭和の初めごろから高度成長期までの子どもたちの、笑顔、泣き顔の数々。貧しかったけれど、子供たちの躍動する風景はエネルギーに満ちている。働く子どもたちの達観したような澄んだまなざしが印象的。2016/04/23
むぎじる
33
何をしている時でも、たくましさを感じる。特に遊んでいる時。そこらへんにあるものや、自分たちの工夫次第で遊びのはばが広がっているようだ。めいっぱい楽しんでいる感じが伝わってくる。だから、転んでも笑顔がはじけている。現代の、ゲーム機で遊ばせられているような過ごし方は、時間をつぶす方法であって、遊びとは言わないかもしれないな、としみじみ感じた。そして、子供が家の手助けをするのは当たり前だった良き時代でもある。誰も嫌な顔をしていない。当然だったのかもしれないけれど、頭がさがる光景だった。2014/10/25
PEN-F
22
木村伊兵衛、土門拳、林 忠彦、植田 正治、などの錚々たる写真家が捉えた 昭和の子供達の写真集。いつの時代も子供の笑顔は希望を与えてくれる。昭和20年から30年頃の写真が多く まだまだ日本は経済的には裕福ではなかったが、子供達の存在が明るい未来を感じさせてくれる素晴らしい写真集です。2019/05/12