内容説明
縦文字と横文字が混在する重層な文化を持つアジアの日常の様々な断片をシャッフルして、アジアというひとつの国を構築してみた。複数の楽曲を自由に構成して仕上げる狂詩曲(ラプソディ)のように。
著者等紹介
中野正貴[ナカノマサタカ]
1955年福岡県生まれ。56年より東京在住。1979年武蔵野美術大学造形学部視覚伝達デザイン科卒業後、写真家・秋元茂氏に師事。1980年フリーランス・フォトグラファーとして独立。雑誌や広告撮影を中心に活躍している。2001年写真集『TOKYO NOBODY』で日本写真協会賞新人賞を受賞。2005年『東京窓景』で第30回木村伊兵衛写真賞を受賞。2007年『MY LOST AMERICA』で第8回さがみはら写真賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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リッキーまち子
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中野氏の写真集といえば横構図だったが、今回は縦横両方の構図が混在している。ページを繰ると、縦か横か判別しようと右脳が働くが、陳腐な騙し絵まがいを狙ってこのような構成になっているのではない。縦読み、横書きの混在するアジア文化の有り様を、本のデザインに反映させる形で表現しているのである。我が国は急速に欧化する中で、アジア特有の猥雑で、湿った醜さを覆い隠してきたのだが、その中に生の本質たる美しさも埋没してしまっていた。本作は、我々の生活に跳梁する、本質から遠い、嘘くさい美しさに目を覆われる危うさを指摘している。2014/03/27
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