内容説明
人と町の体温、むき出しの存在感を写し取る。ライフワークの決定版写真集。
著者等紹介
鬼海弘雄[キカイヒロオ]
1945年、山形県寒河江市生まれ。『王たちの肖像』で日本写真協会賞新人賞、伊奈信男賞、『INDIA』で「写真の会」賞、『PERSONA』で土門拳賞、日本写真協会賞年度賞等を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kinkin
28
人と街のポートレートの写真集。人は皆カメラの前でそれぞれ自分の立場を主張していると思う。50円玉をネックレスにして自慢気な男性やゲイ、カラスを飼う男etc。カメラと人々の距離がとても短いと感じた。街は静かにカメラにポーズをとっている。好きな写真集になった。2015/08/12
たまきら
14
おお~久々にどかんとくるポートレイトです。対象への距離感が好み。しかも、ちょっとフリーク感がある。私が好きな人間観察法にのっとっている感じ。もっと彼の作品みたい!2016/02/29
Koki Miyachi
7
ポートレイトは、対象にどのいう人間を選ぶかが、作品を決定づけるものだが、この写真集は実に独特。一般人でありならが、ちょっと変態っぽく、センスが微妙で、見た目に無頓着で、生き樣が分かりやすい。人間の根源的で美しくないものがありのままに写っている、そんな感じ。少々ダサく、重たく、見ても楽しくない、でも気になってしまうそんな人たちの肖像。2016/08/27
midorino
5
たった一枚の写真とそこに添えられた短い説明から、写された人物の物語を感じさせる写真集だった。2019/07/22
kobaken
2
「PERSONA」「東京夢譚」等の写真集からの再編集版(同題の写真展に合わせた出版かな)。ゆえに再見のもの多かったが、そんなことも気にならない。浅草で撮られた人々の背負ってきた人生が迫ってくるような、何とも恐ろしく愛おしく不思議で魅力的な写真の数々は圧倒的な迫力。添えられたそっけないキャプションがまたよろしい。やっぱり人間が一番どうしようもなくて面白いやね、そんな気にさせられる。写真展、観に行きたいものですなあ。2011/12/04