内容説明
詩を愛する夫婦がはじめた小さな古書店「タンポポ書店」。その愛おしい日々を綴った随筆集を約20年ぶりに復刊。
目次
タンポポ通り
出久根達郎氏のこと
古書店 上
創業のころ 上
出会い 上
伊丹文庫
恩師
愛読書
ばんちゃん
昔話
「タンポポ」のタンポポ
映画『雲がちぎれる時』
万引の話
来客名簿
署名本
出張販売
夫の病気
紫陽花の思い出
「スニーカーのうた」
本の山〔ほか〕
著者等紹介
片岡千歳[カタオカチトセ]
1935年、山形県堀内村(現、舟形町)生まれ。63年に夫・片岡幹雄とともに高知県高知市で古書店「タンポポ書店」を開店。同店は2004年に閉店するまで多くの人に親しまれた。2008年死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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二戸・カルピンチョ
25
古本屋タンポポを営んでいた店主片岡千歳さんのエッセイ。古書についてなるほどと思うことも多いが、勉強不足の私なので知らない作家や詩人の名が連続して出てくると得意の「分かったフリ読み」をするしかなかった。しかし片岡千歳さんの人柄がたっぷりと染み込んだ文章からは、温度も匂いも伝わりそうだし、片岡さんの顔まで知った気になってしまう。完全閉店の片付けの時の涙と言葉、心がギュッとなる。詩を愛して古書を愛したこの方がいらっしゃったこと、忘れませんよ。2024/01/03
チェアー
4
真情にあふれた文章。こんな思いで本を届けてくれたのかと感動する。本一冊を読み手に届ける喜びに満ちている。平易で生き生きとした文章。それは何より生き生きと古本屋という商売をしてきたことの証だ。古本屋に惚れ込む姿。 姉、兄がいる末弟の片岡直治さんの「あとがきに添えて」。気持ちが伝わる母親に似た温かな名文だと思う。 2024/01/17
古本虫がさまよう
4
2004年タンポポ書店より刊行されたものに、新たに二篇の随筆(「詩のことなど」「昨今古本屋事情」)を巻末に加えての新装復刊(さらに息子さん・片岡直治氏の『あとがきに添えて』も収録されている)。こういう本が復刊されるとはヨカヨカですな。さすがは関口良雄氏の『昔日の客』(夏葉社)を復刊した夏葉社だ!再読して、片岡さんと出久根達郎さんとの出逢いなどを再認識。高知の夏季大学に講師として来高されて会ったのが初めて。それ以前に「日本古書通信」に、たんぽぽ書店が目録広告を出していて註文を受けたこともあったそうな。2023/12/14
pontering
0
”話してしまえば、何でもないものになりそうなこと。他に人には、何でもないものかもしれない。だから、それは言わずにおこう。”2024/01/09