内容説明
しあわせなひびをすごしていた、ふくろうのふうふ。やさしいおすにまもられためすは、いつまでもしあわせが、つづくことをねがっていました。しまふくろうのいのちは、20ねん。おわりのひは、しずかにしのびよってきます…。
著者等紹介
手島圭三郎[テジマケイザブロウ]
北海道生まれ。「しまふくろうのみずうみ」では絵本にっぽん賞を、「きたきつねのゆめ」はボローニア国際児童図書展グラフイック賞を、「おおはくちょうのそら」はドイツ児童文学賞絵本部門ノミネート賞など、数々の賞を受ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
87
何回もの厳しい冬を力を合わせて生き抜いた【しまふくろう】の夫婦。「ぼう ぼう」とメスが呼びかければ、遠くからでも「うー」とオスは答える。それが夫婦の決め事だった。命をかけてメスを守り、獲った獲物も美味しいところはメスに食べさせる。子どもを育て、旅立ちを見送って、再び夫婦だけの時を刻む。冬を乗り切って、穏やかな春の月の光を浴びて仲良く微睡む。しまふくろうの寿命は20年。終わりの日は静かに近づいていた……。時計の針は早送りで回るけど、人の一生と何ら変わらない。感動しました。(/_;) 2010年8月初版。2015/09/27
keroppi
81
先日、NHK「日曜美術館」で、手島圭三郎を取り上げていた。まだ、読んだことがなかったので、図書館で数冊借りてきた。木版画で描かれる北の大地を舞台とした生き物たち。しまふくろうの出会いと避けることの出来ない別れ。幸せと悲しみが伝わってくる。ぼう ぼう・うー というなき声がしみる。2021/11/07
yomineko@ヴィタリにゃん
70
もう感動しかない。版画といいお話といい、たとえ最後は死ぬとは言え、生きる意味を教えてくれる。北の大地を逞しく生きるシマフクロウ夫婦の気品あふれる生と死。彼らの寿命は約20年。その間出会い、子供を産み育て、最後は木から落ちて遺体は狐が引きずって穴へ持って行く。それが自然の営みであり、正しい命の形だと思う。また読みたいどころか、そばに置いておきたい本。2023/11/14
鱒子
65
図書館本。2010年の本。親元を巣立ったばかりのしまふくろうが、長い歳月を経て行く物語。狐の喜んでいる姿に可愛らしさと寂寥感を感じます……2019/06/29
ゆうゆうpanda
40
<読み聞かせボランティア・対象5年生>手島圭三郎の版画が美しい絵本。夜空の藍色の邪魔にならないように文字が黒で書かれているし、全てひらがななので意外と読み聞かせが難しい。練習をして臨んだけれど、度々つっかえてしまって子供達の集中を切らせてしまった。反省。しまふくろうのオスは捕ったえさを先にメスにやる。優しくてたくましいオス。先に寿命の尽きてしまったオスを探してメスは「ぼう・ぼう」と呼び続ける。オスの「うー」という返事を期待して。20年ほどの寿命というしまふくろう。愛の寿命はへたな人間より長いかもしれない。2017/01/17
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