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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しゅん
12
『論集 蓮實重彦』の編纂者と批評対象による会話、および二人の間で交わされる文通(のようななにか)。主に『伯爵夫人』を巡って言葉は交わされ、まるで小説の続きのような虚構めいた味わいの言葉が続く。隠されているようであらわにされている。その矛盾した感覚を、おそらく二人は〈淫靡さ〉と呼んでいる。「わたくしにそうした(教授会後の飲み会に参加するような)社会勉強が足りないとでも?」などと意地悪くのたまう蓮實重彦は、千葉雅也がいうようなクィア性をたしかに体現しているように思う。2022/12/13
小川一輝
1
表層批評において名を成す「蓮實重彦」なる固有名詞を付されて我々の下に届けられた『伯爵夫人』なるタイトルを冠されたテキスト群。そのテキスト群に対し自らをKYと記号化した工藤庸子女史が「親密圏」と「公共圏」の力学を駆使しながら、テキスト群の隙間から気配を漂わせる固有名詞をキッと睨み付けるような気風の良さが大変に爽快です。「デコルテと和服の両方が似合う人間はいない」という指摘すら容易く触知することのできない私のような初心な野暮にも、もう一度あのヌメヌメとした感触を思わせるテキスト群に向かわせる一冊でありました。2017/07/21
Goya
0
★★★ 2017/10/30
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