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内容説明
鴻池朋子が本と遊びぬく本の絵本。生命のうねりを描くドローイングの鼓動。
著者等紹介
鴻池朋子[コウノイケトモコ]
秋田県生まれ。1985年東京藝術大学日本画専攻卒業。絵画、彫刻、アニメーション、絵本、ゲームなどの手法を駆使して、現代の神話を壮大なインスタレーションで表現する美術家。森や街といった人間を取り巻くあらゆる環境のなかで作品を生みだし、独自の地図をつかって作品の中枢にある「遊び」へと観客を巻き込むなど、他に類を見ない創作活動は国内外で高い評価を得ている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
72
絵本読み初め。宇宙と地球は姿を変え続ける。そこには美も醜も、善も悪もない。あるのは重力と混沌。そして想像力。何億年も開かずにいた一冊の本が開くと、そこに原始海洋があらわれ、いきものが生まれ、さまざまな感情が湧き上がり、不安が信じるを呼び、信じるは言葉を唱え、森羅万象を象る文字ができる。生まれては壊しを繰り返す地球は、変化こそが本性。そして遂に氷は地球を覆い尽くす。生きもののほとんどは地球から消える。そして本はまた閉じられる。なんてすばらしい世界。時をもたぬ想像力はふわっと宿を抜け出して再び宇宙をただよう。2020/01/02
榊原 香織
63
鉛筆画でしょうか?渋い味の絵本です。 本は世界だ2021/12/17
chimako
55
『華氏451度』から焚書つながりで読んでみた………が難しい。絵本の形態をとったのは作者が美術家故だろうが、その絵がまた緻密で恐ろしい。一冊の本は地球そのもの。人生そのもの。開いて栄え壊し凍りつく。しかしその中の想像力は年をとらず生き残る。人の一生などは瞬きのようなもの。開き閉じ息を止める。書名の現すものも作者の意図も曖昧なまま。日々の暮らしに汲々とする読者には荷が重すぎた。2015/03/04
けんとまん1007
49
宇宙創成記と言えばいいのか、生命創世記と言えばいいのか。爆発するような表現ではなく、じんわりと迫ってくるものを感じる。中村桂子さんの生命誌に通じるものがあると思う。悠久という2文字が浮かぶ。2022/05/10
浅葱@
47
一冊の焚書を開けてみたら、世界が渦をまいていた。眠りから目覚め、言葉から立ち上がり絵は動いて進んでいく。やがて世界は凍り、風が本の扉を閉めてしまう。想像力でしか開かない世界に圧倒されて世界を感じただけかもしれない。【焚書】書物を焼き捨てること。2016/05/13