内容説明
フィールドワークを通じて、人は「世界」との関係を再構築する。それは、自分自身を変えることと、表裏の関係にある―。人類学、地域研究、言語学、歴史学、霊長類学、民俗学など、異なる分野でフィールドサイエンスに関わる研究者たちが、フィールドワークの根源的な問いについて語る、珠玉の論集。
目次
第1部 同時代に生きる(やるせない紛争調査―なぜアフリカの紛争と国内避難民をフィールドワークするのか;フィールド言語研究者はなぜフィールドに行くか;国境地帯をウォッチする―辺境から国家関係を考える;人類学者はなぜ遊んでいるようにみえてしまうのか)
第2部 フィールドにおける共感・感覚・情動(フィールドでの芸能修行―出来事を引き起こすことと特殊例となること;霊長類を観察する―生態的参与観察の可能性;落語のようで、民族誌のようで―夢とうつつの間のフィールドワーク考;フィールドワークの感応と異化作用)
第3部 つきあい続けること(フィールドワークから現実ができる;彼我の狭間というフィールド―村の分裂をめぐる調査の「失敗」から;ある女性の生によりそって―フィールドにおける二〇年の「問い」のゆくえ;果てしなき問いの連鎖を追いかけて―実践を駆動する力としてのフィールドワーク)
著者等紹介
床呂郁哉[トコロイクヤ]
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所教授。東京大学大学院総合文化研究科博士課程中退、博士(学術)。人類学、東南アジア地域研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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