出版社内容情報
素朴にして心に染み入る魂の言葉
心の安らぎを求める現代人に贈る一冊!!
時代が呼び起こした一冊ついに復刻なる。
江畔さんの禅は生半可ではない。荒れ地を開墾して百姓として生き抜く「禅」だ。生活者の「禅」であり。生活の根底に「信」をつらぬく者の生き方だと思う。
歌は若山牧水に、句は(荻原)井泉水に学んだ江畔さんの詩は、よくある宗教詩人ぶった臆面もない無神経なゴタクを並べた詩とは全く異質だ。
むやみに人生とか心とか愛とか苦悩とか語るものを私は信じないが、90年行ききって、なお恥じ入るように、目を伏せてもどかしげに告げる江畔さんの言葉ぐらいは信じられるような気がする。
巧みな詩を作ろうというのではない。
しかし、言葉のひとつひとつが選び抜かれた胸に落ちるまで吟味され、そっと目の前に置かれている詩だ。
一遍一遍がてのひらの温もりを持つ稀有な詩たちだ。
(本書挿絵 森貘郎 )
荻原井泉水に自由律の俳句を学び、種田山頭火と親交のあった、信州佐久の農民・関口江畔。
『老農詩集』は江畔が俳句を作る傍らに書き溜めた詩を、没後の昭和39年に月明会出版から出版されたもの。発刊に際しては山室静も尽力し、推薦文も寄せました。
今度発刊されたものは、その新装復刻版です。
農民としてまさに地に足をつけたその言葉は、長い年月に色あせることなく現代の我々の心をうちます。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Tomomi Iso
1
著者は母方の曽祖父に当たる人なのであるが、自分が生まれる以前になくなっており会ったことはなくほとんど何も知らない。だが、激動の時代を生きたのだろうと思う。不況が有って、戦争が有って、子供を亡くして。でも実はこれからの時代も同じように、あるいは今まで以上に変革の時代を迎えることになるのかもしれない。しかしどんな時代に有っても、この小さな詩集にあふれる優しいまなざし、この老父の無骨な誠実さには共感を禁じえないであろう。100年も前の市井の一老父、その自然と共に生きる姿からから学ぶことも多いのかもしれない。




