感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
lanikai
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明治維新の小説には必ずといっていいほど登場するグラバー。薩長を助け、倒幕を加速させた影の主役というイメージである。本書は手紙や日記などからグラバーその人と、息子である倉場富三郎(ハーフの息子!)の生涯を追う。事実は小説より…というが、こういった資料に基づいた史実を追いかけるのは面白いものだ。正直息子がいたことも知らなかったし。そしてグラバーには商才がなく、息子富三郎は第二次大戦という歴史の波に飲まれ沈んでいく。半日もあれば読める内容で、有名な史実をなぞりながらの解説は思いの外面白い。「事実」が胸に迫る。2013/02/16