内容説明
「不妊治療を機に摂食障害になった母親」「ミヤケを訪ねてたった一人でクリニックにきた少年」「解離になるしかなかった中学生」「激しいボーダーラインの女性」「抑うつになって初めて向き合うことになった夫婦」「癌による死を前にセラピーを求めた家族」―クリニックにやってきた、10のケースをめぐる物語。美しい言葉と繊細な表現を通して、心理臨床のリアルが語られる。
目次
第1章 大寒―不妊治療を機に摂食障害に陥った女性
第2章 啓蟄―身代わりの子どもと世代間伝達
第3章 立夏―精神分析的プレイセラピーの中で築くもの
第4章 入梅―母親としての自己愛を支える親面接
第5章 半夏生―思春期事例とその治療的中断
第6章 大暑―破滅の不安の中に生きる精神病の男性
第7章 二百十日―境界例の女性を抱えることと治療者の夢
第8章 秋分―抑うつを訴える中年女性の喪失と再生
第9章 霜降―ある初老期夫婦の心理的共謀
第10章 大晦日―死に逝く者のかたわらに臨むこと
著者等紹介
三宅朝子[ミヤケアサコ]
愛知県生まれ、臨床心理士、日本精神分析学会認定心理療法士。1988年、名古屋大学大学院教育学研究科博士前期課程修了。長年精神科臨床に常勤職として携わり、2011年より私設心理相談室あさ心理室開設(現在)。他に、人間環境大学などの大学や医療系専門学校の非常勤講師、保健所の乳幼児健診心理スタッフを兼任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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