感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
内島菫
17
線が最初の章は細かく最後の章は粗いが、それぞれ、何か得体の知れない出来事が起こりそうなまだ少しおさえた不穏さと、生死が入り乱れ疾走する明暗の描写に合っている。夜の風景の斜線において、作者は自分のスタイルを獲得したかのようだ。人体も動物も、今さっきこねあげられたばかりの粘土に似て、細部は未分離のまま量塊として動く。生き物はソフビ人形のように突然スッパリ切られ、首をもがれる。私は、シトウチヨが全裸―女体の裸というこの上ない無防備さ―で街をうろつく姿に一番不安を覚えた。2020/04/24
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6
荒々しい線で描かれた、南米大陸の空気を纏う夜のなか、ひどく安っぽいスプラッター映画のように次々と首や指が飛んでいく。漫画でしかあり得ない飛躍と運動を繰り広げながら同時に静謐さえ感じさせる、緊密さと雑さの異様なバランスに圧倒された。2020/09/24
フロム
3
荒々しい絵だがそれが南米感に繋がっていると思う。コレがジャンプ系の達者な絵ならば魅力が半減と言うよりも全く別作品ひょっとしたら対象とする人間や年齢まで変わってしまうかも。この独特の絵にはそれくらいの説得力がある。トーチと言う掲載媒体が全力プッシュするのも納得の才能である。かなり唯一無二な内容。読んだ後肉をバリバリ食いたくなる。パワー全振りの強い漫画である。2020/05/08
geromichi
2
前回の舞台SHIT調布を飛び出し、今回は南米大陸で色々と繰り広げられます。なぜか「闇の奥」のモチーフが出てきました。Tシャツも買ってしまった。2020/09/22
kentaro mori
2
すごい!ラテンアメリカ文学、いや、それを遥かに越えている!コマ間の運動、飛躍に驚かされた。これが文学だ。2020/04/26