内容説明
「自分探し」でアイデンティティを確立しようとしても、たどり着くのは、自分の中で作り上げた物語に縛られる、固定化した「概念としての自己」。しかしそれは、常に変化し続ける環境とそぐわず、ストレスも感じがちです。“現実”を作りだす言葉の力をかわし、ストレスから自由になるために必要なのは、「今この瞬間に生きる自分」に焦点をあてる「プロセスとしての自己」の鍛錬。ブッダが提唱した「マインドフルネス(気づき)」という心の持ち方や、最先端の認知行動療法「ACT」の方向性も取り入れながら、「ポスト自分探し時代」に提唱する、「自分探し=自分失くしプロジェクト」。
目次
第1章 一人になったキクちゃん(ピーちゃんがいない;半年ほどしてようやく元気に ほか)
第2章 言葉が自分を作り上げる(「現実」を作り上げる言葉の力;派生的関係の自動的学習 ほか)
第3章 自分探しとマインドフルネス(マインドフルネスの隆盛;カウンセリングの大きな流れ ほか)
第4章 言葉の世界全体から距離を取る(「マインドレス」な心と思考の働き;見ただけ、聞いただけにとどまる ほか)
著者等紹介
熊野宏昭[クマノヒロアキ]
1960年、石川県生まれ。1985年、東京大学医学部卒。東京大学心療内科医員、早稲田大学人間科学研究科非常勤講師、東北大学大学院医学系研究科人間行動学助手などを経て、2000年4月から、東京大学大学院医学系研究科ストレス防御・心身医学(東京大学心療内科)助教授(2007年4月より准教授)。2005年度より再び早稲田大学人間科学研究科非常勤講師を兼務。心身症、摂食障害、パニック障害などを対象に、薬物療法や面接治療に加え、リラクセーション、認知行動療法、マインドフルネスなどの行動医学的技法を積極的に用いている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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