内容説明
『アルザック』と『アンカル』で、世界中のクリエーターに影響を与えたメビウスもう一つの代表作、遂に初邦訳!『アンカル』では、作画に専念していたメビウスが、本書では原作/作画の両方を担当。まさに純度100%のメビウス・ワールドを堪能できる一冊である。1983年から2001年にかけてフランスで出版されたこの作品は、もともと自動車製造会社シトロエンの販促物として制作されたが、その後、本編5巻とスピンオフ1巻の壮大なSF作品に発展した。本書は、その全6巻を1冊にまとめた、惑星エデナの冒険譚である。
著者等紹介
メビウス[メビウス][Moebius]
1938年、フランス生まれ。本名ジャン・ジロー。筆名は「メビウスの帯」に由来する。1956年にデビューし、当時の人気作者ジジェのアシスタントを経て、1963年からシャルリエ原作、ジャン・ジロー名義で『ブルーベリー』の連載を開始し、人気を博す。1970年代半ばからはメビウス名義で描かれたSF作品にも注目が集まる
原正人[ハラマサト]
1974年生まれ。学習院大学人文科学研究科フランス文学専攻博士前期課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
多田幾多
23
夢と現実から寓話、神話、迷信が入り混じり、どれが本当なのか解らない。不思議で危険な旅物語。まるで(アリスマッドネスリターンズ)のような感じ。最初は単調な線で描かれていたが、物語が進むにつれて美しく生き生きした線で描かれ、1コマ1コマ全てが芸術のような完成度。どのシーンも見逃せない。物語も徐々に複雑に、かつ濃厚になっていき、最後はまさに、読者の感性を試すかのような終わり方だった。うーん、個人的には、本当に彼自身の選択で進んだと思いたいが…しかしウイルスの囁きに騙されてしまったかもしれない…む。2013/12/03
saladin
3
初メビウス作。最近、断続的に読んでいる谷口ジロー繋がりで。巻末に付された浦沢直樹と夏目房之介の対談で述べられているように、ストーリーを追うというより、一コマ一コマの画を味わう方がよいのだろう。一コマの情報量が多い。だから必然的に時間が掛かる。1983年から2001年にかけて描かれているので、巻毎に絵柄が異なっているように見えるけれど、全巻通して読んでも違和感を覚えないのがすごい。2024/04/02
よる
2
巻末の浦沢直樹×夏目房之介対談では、メビウスの絵に対する大絶賛に比してストーリーはどうでもいいみたいな扱いでちょっと悲しくなる(浦沢は「日本のマンガみたいに、ストーリーやセリフのやりとりが面白いわけじゃない」と断言)。個人的にはストーリーも面白いと思うのですがね。邦訳されているもうひとつのSF長編『アンカル』はスペースオペラの大活劇という感じですが、こっちはもっと夢幻的で、奇妙な世界をさまよう遍歴の物語という感じ。言うまでもなく絵も素晴しい。第2エピソードの色使いが好み。2015/11/04
よし
2
ステルとアタンの物語。どこまでが夢でどこまでが現実かはっきりしないところもあり、日本のマンガと比べてストーリーも分かりにくいですが、いいんです。全篇カラーのメビウスの世界にどっぷり浸れますから。2012/08/15
minamoto
1
これはすごい。 面白いです。