内容説明
近代経済思想の諸相を描いて、現代を照射する諸視点を浮かび上がらせる。同感を根幹におき「フェア・プレイ」を強調するA.スミスは、市場原理主義者ではない。J.S.ミルは支配従属関係からの自立の思想や脱経済成長至上主義の思想を先駆的に展開している。
目次
序章 経済学史講義回顧
第1章 チュルゴー『富の形成と分配にかんする諸考察』の切れ味
第2章 アダム・スミスの倫理学と経済学―『諸国民の富』はエゴまるだしの経済学の源流か
第3章 穀物法論争再考―マルサス・リカード・現在
第4章 株式会社観の転換―A.スミスからJ.S.ミルへ
第5章 J.S.ミル『経済学原理』の社会改革論―アソシエーション論と停止状態論
第6章 『ライン新聞』とマルクス―青年マルクスの思想的危機と転回
付論 草稿「ヘーゲル国法論批判」のマルクス思想史上の意義―J.オマリーの研究について
著者等紹介
武田信照[タケダノブテル]
1938年長崎県に生まれる。1969年大阪市立大学大学院経済学研究科博士課程修了。愛知大学法経学部講師。1985年愛知大学法経学部教授(1989年学部改組で経済学部教授)。1999年愛知大学学長・理事長。現在、愛知大学名誉教授。経済学博士(大阪市立大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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