内容説明
野党衰退の最大の原因は、「素人」の目線がごそっと抜け落ちてしまったことではないかと思う。無謀だ、バカだといろいろと言われながらも「素人」が政治の世界で悪戦苦闘した記録。民主党、維新から出馬した外科医が見た政治のウラ側。
目次
第1章 「59歳の政治の素人」が「民主党公認候補」になれた理由
第2章 有権者が知らない「選挙活動」の舞台ウラ
第3章 労働組合、新興宗教…。「組織票」を獲得せよ!
第4章 「民主党公認候補」は何をしなくてはいけないか
第5章 「民主党旋風」で圧勝!―そのとき何が起きたのか?
第6章 半年だけの国会議員ライフ
第7章 「維新の会」から出馬した「民主の裏切り者」
著者等紹介
土田ひろかず[ツチダヒロカズ]
医師・フジ虎ノ門整形外科病院理事長。1949年石川県に生まれ、静岡県(小山町、御殿場市)で育つ。1979年関西医科大学医学部を卒業後、東京・虎の門病院に整形外科医として勤務。1982年、静岡県御殿場市で「フジ虎ノ門整形外科」を開業。救急センター、健康センター、老健施設、特別養護老人ホームなど9施設からなる医療法人「医療法人社団青虎会」に成長させる。2007年無所属で参院選に立候補するが負け。09年10月、参議院議員静岡補選に民主党公認候補として立候補、当選するも8ヵ月後の10年参院選では落選(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Isamash
18
御殿場の整形外科病院理事長土田ひろかず医師による2016年著作。2009年参議院議員静岡補欠選挙において民主党公認で当選と3回落選経験から選挙の摩訶不思議さを描いた。著者は落選時に公職選挙法違反者を陣営から多く出したが本法律の曖昧さから捜査機関が逮捕を恣意的にセレクトでき問題と主張。無所属選挙経験から党公認の有り難さも記述。多くの新米議員は国会に真面目に出席せず地元で次選挙に備え支援組織作りに奔走するらしい。同じ党の候補者がライバルとなる全国比例区出馬の難しさもリアルに描写。世襲を守る仕組み有りに思えた。2022/01/26
海星梨
5
民主党政権交代のあの時期だから、著者さんはむしろ国会議員になれたんだろうな、などと思ってしまった。現職の医師を医療に関する任につけないなんて人材の無駄にすぎるし、毎日国会に出席したら次回選挙に勝てないなんて意味がわからない。民主主義以前に、政治とはなんだろうかと思わずにいられない。2019/11/15
クローバー
2
なかなかエキセントリックな著者だった。個人的には序盤、お金の話が続いたので読み疲れた部分もあった。でも後半は議員の話や流れの話などで勢いを増した。国会議員って大変だし公職選挙法ってガチガチすぎ。でも公職選挙法を改正するには既得権益持ってる人が問題意識を持つことが必要になるし、それより優先して議論すべきことが多いから変わらないだろうな。それでも一票は無駄にせず活用していきたい。2018/05/06
ジョルジオ鈴木
2
立候補者の熱い思いが当選後にかきけされる永田町病!そして、職業化した政治家! あらゆる利権が絡み国民の声が届かない政治体制をどう変えればいいんだろう。 答えはないがいいインプットになった!2017/12/09
Noriko S
2
選挙、政治(霞が関)の実際を素人目線で記述している本。御自身の整形外科医としての経験から、崩壊に向かっている(すでに崩壊?)日本の医療福祉問題を何とかしたいという思いがベースにある。 しかし、理想と現実は全く違い、「日本をよくしたい」と思っていても、利権・既得権益・プロの政治家がはびこる今の政治では何も変わらない現実があることがよくわかった。悲しい。 選挙と政治、霞が関、民主党・維新、そして医療・福祉問題についても記載あり、勉強になる。2017/08/12