出版社内容情報
江戸時代初期、全国各地の海を埋め立てた日本干拓の父がいました。彼の名は砂村新左衛門。
現在でも「南砂」など彼の名を冠した土地が全国各地に残っています。
江戸の大火事で資料が散逸し、今まで謎に包まれていたその生涯を今回、はじめて書籍化いたします。
目次
第一章 砂村新左衛門の生涯
越前新村時代
越前三国時代
三国から諸国へ
摂州上福島時代
武州葛飾時代
武州野毛・相州内川における新田開拓
晩年の新左衛門
その後の砂村一族
与兵衛組と善六組
第二章 新左衛門の遺訓に関する考察
遺訓概要
遺訓全文の翻刻
遺訓の変遷
第三章 初期砂村新田所有者に関する考察
絵図概要
裏書
新田所有者
資金源としての砂村新田開拓
第四章 その他の新・再発見と新仮説
先祖と親について
生地について
生年について
兄弟について
家族について
三国について
大坂について
吉田新田について
砂村新田のその後
内川新田の開拓
内川新田のその後
第五章 新田開拓の背景
資料編
参考文献
参考古文書
内川新田(通称 潮除樋成就記念碑)
内川新田(御絵図面御裏書之写)
続片聾記
新編武蔵国風土記稿
順立帳
東京府志料
片聾記の写真
順立帳の写真
遺訓の写真
あとがき
出版に寄せて
内川新田内割絵図の復元図
まえがき(抜粋)
これは江戸時代初期の土木技術者砂村新左衛門の生涯を綴る最初の書になるはずである。
徳川家康が天下統一を完成させようとしていたちょうどその頃越前に生まれ、日本各地を駆け巡って新地開拓に情熱を注ぎ、武蔵の地でその生涯を終えた砂村新左衛門・・・その名を知る人は多くない。
前半では比較的分かりやすい形で新左衛門の生涯を物語風に書いてみることにする。新左衛門に関する史料は多く残っていない。そこで私は可能な限り合理的な推理によって「点」を結んで「線」にし、若干の時代背景を加えることで「面」にすることを試みた。
そして後半では、ある程度のまとまりを持ったエピソードについて、立証しながら論文風に書いてみる。
「物的証拠から確かに言えること」、「状況証拠からほぼ言えること」、「証拠がなく想像に過ぎないこと」に区分して説明するようにした。いずれもこれまでの説よりは確かな新説が展開できていると自負している。
なお、主な古文書についてはその翻刻(活字への変換)および原典コピー(写真)を末尾の資料編に関係する部分をできるだけすべて示した。結果的に資料の紹介に多くのページを割いたが、これらは限られた場所に行かないと閲覧できないものも多く、「是非自分でも読んでみたい」という読者の要望にも応えるべきと考えたからである。
溝手 正儀
今、あなたが住んでいる場所は、昔、海の底であったかもしれません。
砂村新左衛門は日本全国の海を干拓して土地を作った、日本干拓の父です。
彼が干拓した代表的な土地は「砂村新田」(東京都江東区)、「上福島」(大阪市福島区)、
「吉田新田」(横浜市中区)、「内川新田」(神奈川県横須賀市)など。
日本全国に点在する「砂町」は砂村新左衛門の「砂」なのです。
土地の開拓とともに、その土地の寺院を建設して回った砂村新左衛門は
多くの寺院にとって寺院建立の功労者であり、毎年「新左衛門祭」として
全国のゆかりのある寺院で遠忌がとり行われます。
本書は、砂村新左衛門の命日に合わせて出版し、
江戸の大火事で資料が散逸してしまったために長らく謎とされてきた砂村新左衛門の人生
を綴った最初の本になります。
内容説明
徳川家康が天下統一を完成させようとしていたちょうどその頃越前に生まれ、日本各地を駆け巡って新地開拓に情熱を注ぎ、武蔵の地でその生涯を終えた砂村新左衛門の生涯を綴る一冊。
目次
第1章 砂村新左衛門の生涯
第2章 新左衛門の遺訓に関する考察
第3章 初期砂村新田所有者に関する考察
第4章 その他の新・再発見と新仮説
第5章 新田開拓の背景
資料編
著者等紹介
溝手正儀[ミゾテマサヨシ]
岡山県早島町出身、東京大学工学部電子工学科卒、日産自動車研究開発部門勤務、日産系通信会社(ツーカーホン関西)、東電系通信会社(スピードネット)取締役を経て、調査・著述業に関する個人事業主(ストラテギア・ヤポニア)として特許情報調査の傍ら新左衛門研究に従事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。