内容説明
地味に不思議で、おだやかに怖い。『A子さんの恋人』『ニューヨークで考え中』の近藤聡乃が描く、初めてのエッセイ集。描き下ろし挿画とマンガ収録。
目次
エッセイ五十七編(くまとモクレン;漢字を何度も書いていると何の字だかわからなくなる現象;鳥取県の雨;どうでもいいことで頭を一杯にする;メトロポリタンのおなか ほか)
マンガ二編(子供の頃の頭蓋骨;もともこもみもふたも)
著者等紹介
近藤聡乃[コンドウアキノ]
1980年、千葉県生まれ。2003年、多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒業。現在ニューヨーク在住。2000年のマンガ家デビュー以来、アニメーション、ドローイング、エッセイなど多岐に渡る作品を国内外で発表している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
105
ニューヨークに住むマンガ家のエッセイ集。MOMAやメトロポリタン美術館などニューヨークにはたくさんの美術館があるが、著者の一番のおすすめは、マンハッタンから1時間ちょっとのところにあるDia: Beaconという美術館だそうです。素敵なところとありますが、美術館への坂道で巨大なミミズのことばかり書かれていて、どんな美術館かについては一言もありませんでした。2012年に書かれたエッセイなので、今でもあるかどうかはわかりませんが、余計興味がそそられます。死ぬまでに一度はニューヨークで美術館三昧してみたいです。2023/04/22
水色系
17
不思議な、奇妙な、シュールな。そういう夢を見たあとみたいな読後感。感じ方とか発想が芸術家だなと思った。体調が悪いときに視界がドットやモノトーンになるという件。2022/05/15
チェアー
15
白いシーツに、言葉がぱらぱらと降ってくるような感じ。「A子さんの恋人」を読んだときも、イメージは白だったが、文章を読んでもやっぱり白。地味に、でも不思議なことが周りで起こる。それって、わたしたちの周りでも起きてるけど、自分が気が付かないだけなのかも。それに気づき、なんとなく放置したり、ずっと心にとどめておいたり。そんな蓄積で、この人はできているんだな。2019/05/28
チワ
9
アメリカに住む漫画家(アーティスト)さんの視点で綴られたエッセイ。 ほのぼのとした気持ちで読み進めていたが、最後の漫画で急に怖くなった。自分でおわりという巨大な穴、意識の奥底にある穴。そこにぶち当たって落ちていけば一巻の終わりなのだろうから、見えないように落ちないように進んでいくのだろう。2022/02/16
あんこ
9
高野文子作品が好きな人には是非おすすめしたい近藤聡乃作品。こちらはエッセイですが、文章でもあのゆらゆらしたなんとも言い難い感覚、なんとなく余白を読んでいる気分を味わえました。ぼんやりと読んでいたら終わりのページがきて、なんだか長い夢から覚めた気分です。2019/08/08