内容説明
男子高校生ふたりの七日間をふたりの歌人が短歌で描いた物語、二一七首のミステリー。最注目の新世代歌人、初の共著。
著者等紹介
木下龍也[キノシタタツヤ]
1988年1月12日、山口県生まれ。歌人。2013年に第一歌集『つむじ風、ここにあります』を出版
岡野大嗣[オカノダイジ]
1980年1月1日、大阪府生まれ。歌人。2014年に第一歌集『サイレンと犀』を出版(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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❁かな❁
189
新鋭歌人の木下龍也さんと岡野大嗣さんが男子高校生の視点で夏の1週間を短歌で紡がれる。瑞々しく繊細で危うげな雰囲気で高校生らしさを感じる。思春期の頃の方が死との距離感が近かった気がする。装丁も美しくフォントもこの作品にぴったり。読了してから知ったが短歌の頭の位置が高い方が木下さん、二文字下げて始まる方が岡野さんとのこと。特別付録の舞城王太郎さんの掌編2編が嬉しい♡スピンオフとして書かれた掌編は女子高校生視点でそちらも高校時代の日常の出来事、色んな想いを見事に描かれている。マイジョー最高♡印象に残った短歌は2018/03/10
けんとまん1007
105
この頃(高校生)は、随分前にになるが、当時のこおを何となくではあるが、想い出す。子供のようでもあり、大人に近づく頃でもあり、毎日いろんな思いが入り混じる頃。そうそう、そうなんだよなあ~と。表現は違っていても、根底に流れるものは変わらない。2022/06/10
榊原 香織
103
男子高生の短歌、て感じ。 付録が舞城王太郎の短編なのは何故2025/06/05
あも
91
初回限定の舞城の掌編ペーパー×2が目当てだったが悪くない。歌集というものを手にするのは久しぶり。2人の歌人が交互に男子高校生の1週間を短歌で描く。『交叉路でGPSのぼくが死ぬぼくと若干ずれたばかりに』、『Googleに聞いてもヒット0だったからまだ神にしかバレてない』など、今風のガジェットを用い、諦観の薄皮一枚をつぴと切り裂けば中身が溢れて来そうな危うさを。青春期の彼らは曖昧模糊とした感情を何かの言葉に押し込める術を知らない。大人になった僕らは言葉の枠にはまらない感情を掬い上げる術をきっと忘れてしまった。2018/05/16
☆よいこ
83
YA。エモい歌集。7月の頭一週間、初夏のかほり。青春の1ページを破りとったような短歌▽弁当の底にぼんやりうつってる油まみれのぼくのたましい/プロフィールに書きたいことがなにもないことを書きたいことを書きたい/未知/既知を隔てる紙の名でもある猫の名を呼ぶシオリ、シオリ、と/向き合わないように置かれた腰掛に僕ら花びらみたいに座る▽7月7日になにがあった▽特別小冊子2冊、舞城王太郎の短編あり「五が頭で七がおっぱいで五が腰で二つの七七が両足って感じがするんだよね」▽2018年刊。良本2023/01/16