深夜百太郎 出口

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  • サイズ B6判/ページ数 533p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784904292624
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

舞城版「百物語」
2冊連続刊行の第2弾!!

「いますよね、絶対」
僕は呼吸を整える。
「いません。絶対にいません」

二つの街を行き来する「舞城百物語」、遂に出口へ。 その先で何を見たの?
2015年の夏、毎夜100日間つづられた一話完結の物語。
舞城王太郎と佐内正史による50小説+50写真を一冊おさめた前篇「入口」に続く、後篇「出口」。
本書も50の物語を収録。「入口」からさらに100ページ増の536ページです! !
本書は7月13日から8月31日までの50日間に発表された作品です。

目次
ベランダの彼氏/ダムでカヤック/クローゼットの中/夏のコタツ/知らない人の日記/篝火/残業の梶師/つけっぱなしのテレビ/駐車場の私の車/僕の中の鏡/カラスの神/空き部屋禁止/車内放置ワゴン/トンネル師匠/うろうろ息子/次の電車/隣で寝てる人/ムカデの巣/押すな押すな/保留中の黒電話/夕立ちの先端/掘り出し石/出戻りの家/空き家の草取り/我が家の花子/枕元にハサミ/恋するクーラー/執着コトメ/宅配深夜便/橋の下/初めての病院/電車停車中/母乳泥棒/棚の裏/古い携帯/ガレージの中/落雷地点/女の城/口の中/友達案山子/迷子の守護者/放ったらかしサイクリングロード/花火の帰り道/山のアカンボ石/あぶり出しメール/家覗き/めそめそ/寝ずの番/呪い/ワタシシ死/全50話収録。

内容説明

二つの街を行き来する百物語、遂に出口へ。その先で何を見たの?50写真!一話完結50小説!

著者等紹介

舞城王太郎[マイジョウオウタロウ]
1973年福井県生まれ。2001年『煙か土か食い物』でメフィスト賞を受賞しデビュー。2003年『阿修羅ガール』で第十六回三島由紀夫賞を受賞。近年は小説に留まらず、翻訳、短編映画や短編アニメの原案、脚本、監督などを手掛けている

MASAFUMI SANAI[MASAFUMI SANAI]
佐内正史。1968年静岡県生まれ。1995年、第十二回キヤノン写真新世紀優秀賞受賞。1997年『生きている』でデビュー。2002年『MAP』で第二十八回木村伊兵衛写真賞受賞。近年は自主レーベル「対照」より私家版写真集を発表し続けている。現在、アストルティアで精力的に撮影中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みっちゃん

92
持続的に沸き起こる寒気の為に、ストーブの前に陣取り読むが、あまり効果はない。こ、怖い。そして何だか悲しい。この異界のモノどもも、元はごくフツーの人間だったろうに。愛やら憎しみやら執着やら、ごった混ぜの感情の成れの果て。最終話、百太郎の【ワタシシ死】が凄まじい。ここまで怒り、憎めるものか。やっと出口から出られてほっとしているが、ここはほんとに元の世界なのか、ちょっと自信がない。2016/01/27

藤月はな(灯れ松明の火)

77
入口に対して守れなかった話も多くて辛い。その中で霊的能力者である祖父の遺体を巡る葬式狂想曲な「寝ずの番」のスピード感は楽しい!是非、アニメで観たいな!そして余りにも異色な「九十九太郎 呪い」の次に来るのが「百太郎 ワタシシ死」。「一太郎 アナタタ」と対を為すのは「ワタシシ死」は語り手がとことん、自己中心的だからだ。過去の自分を憎悪し、否定し、消そうとして彼女の息子は永遠に殺され続ける事になってしまう。それが分かっているのに自分への怒りや殺意は止まらないという自己中心性は私も持っているからこそ、最も恐ろしい2020/04/11

めしいらず

77
舞城版「百物語」の後半50編。著者が縦横無尽の創造力でここに詰め込んだのは、「??」な奇譚であり「!!」な恐怖譚であるが、そんな形を借りながら多くの話の中で本当に語っていたのは、是非ない強固な「家族愛」だ。守るべき家族を災禍に巻き込んだ上、遂には守り切れず死に往く男の忸怩「カラスの神」、死を超えて繫がる親が子を、子が親を思う気持ち、見守る親族の優しさが胸を突く「保留中の黒電話」が好き。そして本書の白眉は最終話「ワタシシ死」。自己愛に溺れた女が死後に知る己の過ち。死して尚逃れられぬその十字架。愛の苦しみ。2016/07/08

眠る山猫屋

56
・・・全然、出口じゃない。 (→)2020/04/07

里愛乍

54
世の中ホラーやオカルト数あれど、自分的にフィクションだと割り切って読めるものはどんなに怖くても残らない。滅茶苦茶怖いのに因果関係がはっきりと綺麗に完結しているのもそう。本書の怖さというかヤバいと思うところは偶々の体験・縁者・癖等、巻き込まれ型的な怖さを感じてしまうからなんですね。結構理不尽だし、人間の好奇心・探究心を突くものもあるし、人とは結構なリスクを背負って生きているものだな、と。うん、楽しい現代版百物語でした。舞城さんのポップな文が最後までのせて読ませてくれました。面白かったです。2016/08/08

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