内容説明
作品の実践をもって「彫刻とは何か」を追究し続けてきた戸谷の四十年にわたる膨大な言説のなかから彫刻論を紐解く―。制作上の概念と葛藤、その希有な到達を、言説から彫刻へ。現代彫刻の牽引者、戸谷成雄初の語録集成。
目次
1 記憶‐影
2 象
3 存在‐関係
4 構造
5 襞‐森‐表面
6 境界
7 ミニマルバロック
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kaizen@名古屋de朝活読書会
92
巻頭と巻末の写真群がよい。「竹藪」に限らず、彫刻は建築物・構築物・空間との共調が大事だと分かる作品群が多い。「仮説の彫刻I,1978年」のように、天井、蛍光灯の照明、部屋の梁の設計と彫刻との関係が馴染まない。馴染まなさを強調しているのだろうか。「森の象の窯の死をめぐって(二)」に「彫るからー象の鼻1982年」写真があり、彫刻の写真と言葉の共調性が心地よい。記憶ー影、象、存在ー関係、構造、壁ー森ー表面、境界、ミニマルバロックという分類も玅。国会図書館所蔵。2014/06/02