内容説明
湘南科学史懇話会の主宰者が招請した碩学たちと交流を深め培った批評眼を存分に発揮―53冊の科学書に切り込み書斎を劇場に変える“読書渡世人”の痛快書評集。
目次
1 破滅の科学に抗って(フォーディズム形成の背景を探る―栗木安延『アメリカ自動車産業の労使関係』;「原爆神話」を揺さぶり、核開発競争を見直す闘い―マーティン・ハーウィット『拒絶された原爆展』;原発労働者の被曝死という現実―嶋橋美智子『息子はなぜ白血病で死んだのか』 ほか)
2 科学史の馥郁たる果実(科学技術史から環境社会主義を展望する―佐々木力『科学論入門』;批判的学問の復権―佐々木力『学問論』;スターリンの亡霊に呪縛されて―佐々木力『マルクス主義科学論』 ほか)
3 人間主義への回帰(学問を志すとはいかなることか―木田元『わたしの哲学入門』;物理学者の赤裸々な姿―小柴昌俊『物理屋になりたかったんだよ』;古筆学を生んだ壮絶なる人生―田中登編『小松茂美 人と学問』 ほか)