内容説明
アメリカ大リーグ史上初の「快」記録!急遽渡米、観戦した9999敗からの3連戦…「歴史的瞬間」はどのようにしてやってきたか?“ワールドシリーズ制覇”は125年間にたった一度…そんな弱いチームが、いまも市民に愛され続けている。「私はまたも“それでいいのだ”とつぶやいていた…」あふれるユーモアと涙と感動のノンフィクション。
目次
1万敗とはなんだ?
フィラデルフィアという街
歴史的な日を前に見えてきたこと
7月13日の金曜日
ゲーム開始
アル・リーチとフィリーズ
悲喜こもごもの球団史
楽しき野球日和
サンデー・ベースボールの遅れと白人主義
大拍手の中で
地元との結びつき
新しきフロンティア
著者等紹介
佐山和夫[サヤマカズオ]
ノンフィクション作家。野球をはじめ、スポーツ関係の著書多数。潮ノンフィクション賞、ミズノ・スポーツライター賞、アメリカ野球学会トウィード・ウェッブ賞などを受賞。日本ペンクラブ、アメリカ野球学会所属。日本高野連顧問も務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kera1019
3
本拠地も移さず、名前も変えず、マイナーリーグに降格もすることなく、125年かけて作り出した大記録一万敗。100敗のシーズンを100年続けないと1万敗にはならない。ファンはファンで弱体球団を支え続け、選手がファンと共に球場を作り、地元の野球チームとゲームをしてきた長い歴史がチームを育ててきたと思うし、ファンの声を読んでると一万敗というのはフィリーズがファンと共に多くの年月を積み重ねてきた巨大な記録ということが、よく分かります。2014/08/19
itoken
2
フィラデルフィアとフィリーズの歴史の深さとファン心理
shibacho
1
フィラデルフィア目線で見たMLB黎明期の話と、ジャッキーロビンソンに代表される黒人選手加入の話、「サンデーベースボール」にまつわる話が面白い本です。子供が親を選べないように、野球も(いくら弱いチームでも)ひいきのチームは選べないのだ、という話はいいと思いました。メジャーで定期的に神のお告げで野球をやめてしまう人がいる、というのはグリーンウェルを思い出さざるを得ませんでした。2016/01/20
いわさんたろう
1
「愛すべきアメリカ野球」とはよく言われるが、この本を読むと「なるほど」と思う。 暗い過去もきちんと検証しながらも肩のこらない読み物になっています。2015/01/15
yyrn
1
作者の佐山和夫さんは野球の本をたくさん書いていてこれまで何冊か読んだが、メジャー礼賛の一本調子で、かつ話がクドくてあまり好きではないのだが、題名に惹かれて読んでみると、これがなかなか面白い本だった。 フィリーズは1883年に創設された古い歴史を誇るチームだが、2007年には1万敗を喫したチームである。125年間で1万敗ということは毎年80敗しなければならず、また100敗以上を何年も続けたこともあったらしい。普通であればチームの身売りやフランチャイズの移転が想像されるが、創設以来一度もフィラデルフィアから2013/03/30