内容説明
何世代にもわたってネイティブ・アメリカンの共同体では若者たちに、地球の誕生のこと、人びとのこと、祖先の冒険などを学ばせ、勇気と、尊敬と、寛容と、ユーモアを教えるために物語を利用してきました。このシリーズはそうした「教えの物語」のなかから四つを選び出したものです。
著者等紹介
北山耕平[キタヤマコウヘイ]
1949年神奈川県に生まれる。1979年にアメリカ・インディアンの世界に遭遇し、アメリカ先住民族の精神復興運動に参加ののち、環太平洋の先住民族とその口頭伝承による精神世界の旅を続ける。先住民文化研究がライフワーク。翻訳家、編集者、講演家、作家。神奈川県在住
菊地慶矩[キクチヨシノリ]
1959年東京生まれ。グラフィックデザイナーとしての活動とともに、1991年より作家活動を開始。描き続けているネイティブ・アメリカンの理解をより深めるために、1995年アトリエを米国ニューメキシコ州サンタフェに移し家族とともに移住、本格的作家活動に入る。5年後の2000年2月帰国。現在、東京を中心に活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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itokake
13
アラスカ、カナダの先住民族クリンギットは、トーテムポールを彫る文化を持つ。囲炉裏の側で寝てばかりいる「うすよごれ」が実は誰よりも優れた若者で、長じて世界を支えるトーテムポールを受け持った。ギリシャ神話のアトラスは苦役として地球を支えるが、うすよごれと呼ばれた若者は先任者からこの名誉ある役割を「自分にしかできない」と引き受けた。自分の家にあるトーテムポールは、世界を支えるトーテムポールと繋がっていて、そこではあの「うすよごれ」が粛々と支えている。そんなイメージと共に育つクリンギットの子供達に想いを馳せた。2022/11/24