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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆう。
33
不登校やひきこもりとはどのような存在なのでしょう。それは一つの現象であり、それを否定することは今ある不登校・ひきこもりの子どもや若者を否定することにつながります。本著は自らの経験をもとに相談活動をしている著者が、親や当事者へ優しく語りかけてくれる内容となっています。題名が「終わるとき」とありますが、当事者自らが自分らしく歩んでいくためにはどのような視点が大切なのか、経験をもとに述べられています。実践・研究するうえでも参考になる内容でした。2018/08/31
きくまる
6
元ひきこもり当事者が体験を交え語っている書。ひきこもり者は、他者と接する時の自分を作り替えている、組み替えている、生まれなおしている、新たな自分を生み出そうとしている。その意味で、家族は妊婦に接するように、と言う。これは非常に腑に落ちる説明でした。彼らを無理矢理社会に連れ出すのではなく、穏やかに日常が送れるようにすることが、家族の支援。しかし結局立ち上がるには、現実をみて、自分の限界を認め、諦めることは諦めることしかない。でもすべてじゃない。何を諦めるか見極めるまで。体験談は静かに壮絶でした。2015/08/04
ベランダ
5
今まで読んだ本が枝葉の部分を言っているのに対し、本質を照らし出すような発見がある本だった。依存症の人が「底つき」を体験して、回復の道がスタートするように、不登校・ひきこもりも、底をついてやっと終わりにできる。囚われを手放すきっかけなのだ。「どんなに苦しんでも大丈夫、必ず終わる」と言われても、死にかけるような底つきはつらいし、未来に底つきが必須だとしたらめげそうだと思ったが、ハードランディング、ソフトランディングという着陸に例えた底つきの説明があり、ホッとした。結果はどっちになっても本人の唯一無二の人生。2016/10/03
ラーメン小池
5
不登校・引きこもりで悩んでいる親子などに限らず、広く社会人やら若者一般にあてはまる内容だと感じる。不登校・引きこもりの原因はそれぞれ個別に異なるものであろうが、「納得のいく生き方を構築したい」という内なる衝動が顕在化したもの、という捉え方についてはなるほどと感じる。また「理想とする自分と現実とのギャップ」に悩む姿や葛藤についても、著者が経験者でもあり説得力がある。不登校・引きこもりを「生まれ変わるための闘い」と前向きに本人と周囲が捉えることで状況が好転し、力強く再生する過程をていねいに述べている。好著。2014/08/16
M.O.
4
本人と向き合うのではなく、同じ方向を見る、という気持ちが大事。 親ができるのは認めてあげること、受け止めてあげること。 引きこもり経験のある著者なので、実感がこもっていて「あるべき論」にはなっていなくて、受け入れやすく納得しやすい内容であったと思う。2019/01/18